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イマサラ

腐向け/R15/DRRR!!・K66・TIGER&BUNNY中心/いろんな妄想ダダ漏れな欲望全開。

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【T&B】この二人は、やっぱり『いつもの』二人でした【ヘタリア】

クロスオーバーラストです。
『タグ』については企画が『いろんなキャラがおじさんを助けたようです』というものだったので、それについてです。スルーで大丈夫です。
異様に長いですがお付き合いいただければっ!!


・・・・・
突然の口調の変わり過ぎな―― 相変わらず良く分からないこの二人。
だがどうやら楓が攻撃された事により、虎徹はともかく正真正銘二人の【本気の逆鱗に触れた】という事は分かった。
本来ならば他のヒーロー達も怒りが込み上げて来て殴りかかるような行為だが、それも笑みのない二人の表情に動くことが出来なかった。心臓が凍る。
そしてまたもや瞬間移動の【バキィン!!!】で何処かに連れて行かれるのかと、ヒーローズが今度こそ着地失敗の危機に身構え…

「何これ!!??ちょっ、何コレ本田さん!!??」
「二人共NEXTだったのか!!??」

初めての移動で大騒ぎをするタイガー&バニー。アニメ同様コミカルに慌てふためくその様子に、さっきまで【半世紀とちょっと振りに萌え目的無し】での殺気バリバリで超怒級シリアスを展開していた菊と桜が…

「あーのーぉ…、虎徹さん、流石に空気読みましょうよ…。私、すっごい怒ってたんですが…」
「久方振りに『あのような言葉遣い』が出るほどでしたが…流石は虎徹様…」

一気にテンションが【通常】に戻ってしまった。流石は【タイガー&バニー】。流石は正義の壊し屋。空気さえも壊せるとは…。シリアス空気は二秒も持たずにぶっ壊された。
菊も桜も完全に通常運転にまで速度が落ちている。ついでにこの二人、一応コレでも【ご老人】なので怒り続けるのも体力を使うのでもう戻れない。
特に桜は怒るのが苦手なのでもう無理だ。

「読むも何もだろっ!?アレか!?やっぱどっちかが瞬間移動とか出来るNEXTだったって事!?てかココ今何処っ!!?何か薄暗いんだけど!???」
「すいませんが『ソコ』まで話を戻すの面倒なので、今は大人の必殺技『割合』で一つお願いします。ついでにココは…所謂【時空の狭間】と言うヤツですねぇ」
「虎徹様、お怒りと動揺が少々静まりましたらどうぞ楓お嬢様を…」
「へっ?あ、あぁ桜さんすまねぇ!!」

そう言いながら虎徹が桜から楓を受け取りしっかりと抱き締める。
――自分の為に、こんな事に…

「楓…起きてパパのいいトコ見てくれよ…っ!!」

グッ!と気合を入れる虎徹を見ながら《良いタイミングで起こしますのでご安心下さいねv》と、桜が完全にいつものノホホン♪に戻っていた。何せ寝かせた張本人なのだから、起こすのだって簡単だ。
やはりサークルでの【純ピュア担当】。親子の感動的なシーンが見たい。
コミュニケーション不足で仲が上手く行っていない事は、良く両方から相談されていたので『コレをキッカケに!』と言うのもあるが……、結局最終的には、自分の都合だ。

さて、現在は移動の最中だった訳で…。しかしあまりに煩い虎徹のせいで時空の狭間でストップ状態。別に無視してさっさと迎えば良いのだが(さっきは強引に行ったのだから)
…やっぱりちょっとストップ。
さっきはともかく、鏑木さんご家族はご近所さんで仲良しでしっかり付き合いもある。ここは本田家も『もの凄い贔屓』を発動して、一応聞き耳を持ってストップモーション。

「ヒーローの皆さん、休憩です」
『「「「はっ?」」」』
「ちょっと私達は無視して下さい。あ、虎徹さんは全員をぶん殴って記憶戻しといて下さいね。ようは『当たり所』が問題ですので下手に記憶を飛ばさないようにお願いしますよ?」
「え、ちょ、ちょっと菊さん…?」

――そうは言われても…。
何という恐ろしい無茶振り。間違ってもヒーローズは『壊れた家電製品』ではない。それに虎徹は殴って余計に壊す事はあっても直した事など一度もない。
《コッチは楓を抱えている上に残りのヒーロー達全員から痛い視線を喰らってんだぞ!?》
物凄くどんよりと言うか湿気た空気の中で、どうしてソコまで突然無茶を言うのか。虎徹が焦って桜の方にヘルプを求めようと声を掛けようとするが。

「虎徹様、申し訳御座いませんが少々お時間を下さいませ。どうにも【思う所】が御座いますので、どうか私共に相談時間を頂けませんか?」
「何・で・だ・よ・っ!!今からマーベリックのヤローを潰しに行くだけだろっ!!?」
「まぁっ!そんなに大声を出されては楓お嬢様が起きてしまいますよっ。ほんの少しですので、その間にヒーローの皆様は……、何か適当に宜しくお願い致しますv」
「桜、早く来てください。作戦会議です」
「はい。それでは皆様、少々お待ち下さいませ♪」
「…………」

いつものホワホワにっこり笑顔で桜がペコリとお辞儀をして、菊と二人でヒーローズから離れて行った。
まさに絶句だ。放置プレイもココまで来るとサディストでは無い。どう考えても【行き当たりばったり】。
誰のせいで殺気が削がれたのかは言うまでもないが、削いだ張本人をまさかの逆に削ぎ落とし骨まで煮込んでスープでも作る勢いの二人。
世界に通じる立派な日本語『モッタイナイ』を、今絶対に覚えてはいけない方法でありありと見せつけられている。
さぁ、虎徹vs.もうとにかく疲れた状態のヒーローズに+今直ぐダイナミック直帰して落ち着きたいバーナビー。
――クールになれ鏑木・T・虎徹…今は娘だって居る!!突破口は必ずある筈だ!!!





◆◇◆





まぁそんなヒーローたちはどうでも良ろしく本当に勝手に放置して。ジジィとババァがお茶を取り出しながら作戦会議を始める。

「親方様も冷静になられましたので、私から進言致させて頂きます」
「冷静と言うかリアルに冷めました…。どうぞ」
「このままイボさんの所へ…【私達も行くべきかどうか】。どうぞご判断を」
「……。はぁ、やっぱり【ソコ】ですよねぇ…」

ズズーっ、とお茶を啜りながら菊が困った顔をしながら溜息を付く。

「確かに虎徹様も楓様もオリエンタルタウン出身である以上、親方様の管轄。助ける事は至極当然。私共もタイバニシェアの再確認へと程良く来ておりましたが…」
「分かってます。問題は『タグ』と、言いたいのでしょう?」
「はい…」

桜も桜で困った顔をしながら話を続ける。

「此方の【ストーリー】は『いろんなキャラがおじさんを助けたようです』と、あくまで【虎徹様】を洗脳されたヒーロー達から助ける話。私共はそれに便乗して『生ヒーロー達の萌え探しに乱入』した次第。此度は既に『タグ』部分は終わっております。一話目で既に。しからばもうこれ以降、私共がストーリーに関わる事は如何なモノかと…」
「そうなんですよねぇ…それは私も引っ掛かってるんですよ。あんまり腹が立ったので本気で【マベ潰し】と思いましたが……考えたら別に行かなくてもいいんですよね、私達」
「流石にコレ以上の介入は差し出がましいかと…。それにこのシュテルンビルトは【どの国】かハッキリ公式で出ておりません。完全なる多国籍国家。…居続けるのは非常に危険です」

そう、居続けると【この国】が菊と桜に会いにやって来てしまうかもしれない。
別に街一つの『ほんの一部』をちょっと壊した程度で猛烈に怒りはしないだろうが、流石に菊が【国】ということが、堂々とバレるのも嫌だ。
一応一話ラストにてバラしているが、誰も信じている筈がない。覚えても居ないだろう。信じていたら今頃折紙サイクロンに絡まれている筈だ。
この急いでいる時(終わったら即写真やムービー編集に同人活動!)に七面倒臭い目に会いたくない。

「差詰め『下手にぶっ壊して国がやって来て『もっとカオス』か、相手国より『損害賠償コース』か…、最悪、国際問題』という所でしょうか。ウチの御上にソコまで負担は掛けられませんし…そうなると面倒臭いと言うか…」
「はい。それにマベ潰しはやはりヒーロー達にやらせるべきかと。それから帰国致しませんか?」
「何故そう思います?」
「24話での増産されたエビさんとヒーロー達の戦いが、速すぎて映像に目が付いて行かなくて…。生で見とう御座います。ついでにアンダースーツもこの際ハッキリ仕組みを解明してからが宜しいかと」
「あぁ、アンダースーツ!!忘れてましたソレ。アンダースーツの謎。どうやって着脱しているんでしょうね?エヴァのプラグスーツみたいな感じなのでしょうか?」
「此処まで来たならばそれも知り得るべきです。【楓様】とて国民で御座いますし私は助けとう御座います!!……それに…結局一周考えてみたら、まだヒーローズの洗脳が解けていませんし…」

巡り巡ったら、結局二人は結果的に今のところストーリー上『何もしていない』。虎徹のピンチを上手い事ダシに使って、勝手に乱入して勝手にひと暴れしただけだ。
沢山の事情が有り過ぎて流石の桜も言いたい事が上手く纏まらないが、取り敢えず楓は絶対に守りたい。子供に手を上げるなんて絶対に許せない。だが居続けるには自分たちの設定上、問題が多過ぎる。
ぶっちゃければ虎徹はまぁ…とっくの昔から何とかなりそうだったのでこの際切り離して…。

「分かりました。最後まで『手出しはあくまで最小限・鏑木親子を必ず守る』という事で残りましょう。どーせ【この国】がどの国だろうが邪魔するならば殴って【強制終了のお知らせ】流しますし」
「はい。ですが、御上にはしっかり謝りに参りましょうね?」
「そうですね。ま、私達の【薄い本の餌食】にわざわざ来るような猛者は居ないでしょうけど」

ペンは剣よりも強し。
日本国家の聖なる三種の神器である【草薙剣】よりも強い【ジャスティス・ザ・ツケペン】に敵う国など居ないのだ。
――でも本当に、此処ってどの国なんだ?どうかボコりやすい相手でありますように…。





◆◇◆





「はいはい皆さんお待たせしました。移動しますよ集まって下さい。取り残されら二度とこの空間から出られませんよ?助けに来るつもりありませんから」

パンパンと手を叩きながら菊が虎徹達ヒーローズの方に向かう。完全に何処かの補導員だ。桜も後ろから付いていく。
ソコにはきょとんとしているヒーローズと、何だか疲れている虎徹。奥に見えるは泣いているハンサムバーナビー。
《わー面倒臭い…》と、心の底から菊は思った。流石は【豆腐メンタル(絹ごし)】と呼ばれるだけはある。

「あ、本田さん達…」
「虎徹さんどうですか。皆さんは戻りましたか?何だか貴方のバディ以外は全員ボンヤリしてますが…まさか本当に殴ったんですか?キッドたんを?え、ソレはちょっと…」
「いやいやンな事してねぇよ!?何か皆、記憶は殆ど戻ってたみてーでさぁ…。ただ戻ったのはいいけど前後が曖昧で、本田さん達の事も上手く思い出せないっつーか…」
「それは結構ですよ。私達は『イレギュラー』ですから」

完全に覚えていられても、それはそれでコレまた非常に面倒臭い事になる。
あれだけ萌えの為に散っ々な目に合わせたし(自覚は有る)、ブラックタイガーを一瞬で壊したのも見られている。
これから起こる【大乱闘!黒エビ祭り】に引っ張り出されたくない。
あくまで【傍観・観察・アンダースーツの謎・鏑木親子を守る】、此処からはこの四つだけしか関わらないつもりなのだから。

「取り敢えずそちらのウサギさんの目が本当に赤くなる前にあやして下さい。桜、楓さんを」
「はい、お預かり致します。虎徹様、どうぞバーナビー様を」
「あ、あぁ…なぁバニー、楓の事は父親として全力で一発殴る。けど残りはお前が記憶を弄られてたからで…」
「それでも僕はっ!!虎徹さんの事を殺人鬼扱いして楓ちゃんがあんな事になるのをっ!!!…僕の人生を…っ許さないマーベリックっ!!!!」

虎徹から楓を受け取り、桜がこんな大騒ぎでは不意に目覚めやしないかとヒヤヒヤする。もう文脈バラバラ。
何時でもポワッとしてスルーしている桜にだって、やっぱり苦手な事はある。それは【空気が読めない大きな子供】。
…今、目の前に居る。

「……。親方様、さっさと参りませんか?向かえば嫌でも泣き止むかと。早く闘志を燃やして頂かなくては」

――何時まで経っても、終わらないし帰れない。
そんな桜の心の声は菊にしっかり聞こえている。正直桜が何かを《面倒だ》と思う事は稀有な事であり、そしてソレは他の者にとってはぶっ飛ばしたくなるくらい嫌な事な訳で…

「行きますよ~。桜は機嫌戻して下さいねー」
「いっ、行くってそう言えば何処に!?」
「ジャスティスタワー登頂にあるアテネ像の顔面内部です。【戦の女神】とは、コレはまた最終戦に相応しい」

こうしてメンタル崩壊中のバーナビーを完全無視して、漸く全員が最終決戦上に向かった。






◆◇◆






到着したのは真っ暗な広いホール。シュテルンビルトの夜景達は彫刻の穴部分からしか入らないので本当に暗い。
今度はちゃんと着地出来たヒーロー達。ピンクの棘小部屋シーンは【何だか卑猥だ】と楓の教育上良く無いという桜の意見によりすっ飛ばされた。
【それを卑猥だと思う桜が卑猥だ】という事は菊は黙っていた。子供が大好きな桜に言ったら多分今から大喧嘩が始まる上に、結局負けて説教される。
一方『突然本当に前触れ一切無し』で登場したヒーロー達に焦るマーベリックとロトワング。準備も何も有ったものではない。バーナビーに付けていた【HO1】も居ないしと、何だかバタバタ大慌て。
だがそれはヒーロー側も同様だ。半日も虎徹を追い掛け回して疲れていた上に菊と桜に身体はまぁまぁメンタルはズタボロにされ、いきなりラスボスとはハードコース過ぎる。
それでも大量の【H01】との最終決戦は始まった。

一体菊と桜はどっちの味方なのだ。鬼かお前等、そうか鬼だな。そんな二人は相変わらずテンション高くカメラとムービーを掲げながら楽しそうに見ている。やっぱり鬼だ。
流石の楓もあまりの喧しさに目を覚ましたが、状況について行けないのと身の危険の為桜が離さない。


「あーもー!カメラで追いきれません!!コチラが悪酔いしてしまいますっ!!」
「桜!これはもう記憶に刻むしかありませんよっ!!ドラマで瀧川さんも言ってましたよ『メモを取るな、記憶に刻め』と!!!」
「え、親方様って【絶対零度】見てらしたのですか?私は木村了様が好みで御座いました!【竹林】というキャラ的にも可愛らしい方で御座いましたし黒縁眼鏡vv」
「あ~、桜好きですよねあぁ言う子供っぽいキャラ。台詞回し上手いですし。何となく録画して見てました。瀧川さん、若くてあのクール渋キャラも良いですよ。…まさかのオーラスで既婚者発言とはかなり吃驚しましたけど」
「はいはい!私も見てた!!てゆーかやっぱり上戸彩ちゃんですよ二人共!!主役主役!!すっごい大人っぽくなってたけどソフバンCMじゃ可愛いし!パンクだし!沢山キャラ変出来るってやっぱ凄いと思うもん!!」
「あらまぁ、楓お嬢様も見てらしたのですねvしかしあのドラマ、面白いのですが何方もフラグが見事に立たないと言うか…ちょっとは行くかなー?と思っていたのですが…」
「桜さんっていっつもフラグに関心持ちすぎー。てかアレ、ラストで『まさかの関ジャニ横山くんの登場』で全部持って行かれませんでした!?何かすっごい悔しかった!!」
「悔しくは御座いませんでしたが吃驚はしましたねぇ…。二部クールが有るならば先輩後輩で何か良い感じの事が…。惚れませんでしょうか?」
「無い無ーい。先ずシーズン2が無いってあの話。それに【瀧川と桜木】っていう組み合わせが良かったんじゃないですかぁ。【トカゲとカメ】!もー、分かってないなぁ桜さんは」
「そんなに全力否定されると寂しいですよぉ…」

ぶっちゃけ呑気にガールズトークでドラマ語りをしている場合ではない。目の前ではヒーロー達が能力全開でドンパチ始まってもの凄い事になっているのだ。
だが楓は目覚めてこの光景だったので、ここは素直に【現実逃避】を決め込んでいる。
―― 寝ている間に何があった!?



「っていうか今はドラマよりも現実ですよ!女子戻って来なさい!!あ、そうだお二人ともー!!早くグッドラックモードやってくださーい!!!!」
「あ、見たいです見たいです!!虎徹様もバーナビー様もお願いしまーす!!グラフィックがとても格好良くて私も大好きで御座いますよー!!」

勿論【効果が無い】のは知っているが見たいもんは見たい。生で見れるなら絶対に見たい。

「虎徹様!!楓お嬢様も見ていらっしゃいます!!最高の見せ所では御座いませんかっ!!?」

だから【効果は無い】のだが…しかし桜の非常に楽しそうで、非常にやっかましい要望に。

「っだぁあああ!!楓ぇええ!!お父さんをしっかり見とけよっ?!!行くぜバニー!!!」
「はいっ!!!」


   GOOD LUCK MODE発動!! -over and out!!-
   ……ターゲット、無傷で終了。


『「なんでじゃああぁあああああ!!???」』
「はぁ…素敵でしたねぇ親方様…。アレはグッズ用でも作成には相当時間がいりますね…」
「えぇ本当に。やはり男児たるもの、こういった共同技は見惚れます」
「す、凄い技…お父さん、超格好良いかも…」

ホクホク笑顔の二人。正直ヒーローズはコッチにも殺意が芽生えかけている。身体能力の高さが余計に腹が立つ。
《さっきから大量のコイツら避けながら観戦してるなら手伝えっ!!!》

「かっ、楓!?今のはまだお父さん全力じゃ無かったっていうか!!もういっちょ行くぞバニー!!!!」
「あ、虎徹様。効かなかったのはフェアリー斎藤様がまだエビさん達の解析を終わらせていらっしゃらないからです。皆様もエビさんには本体がお持ちの内蔵銃での破壊が精一杯ですので奪って下さいませー」
「そうでしたフェアリー斉藤さん!!あーっ!今頃トランスポーターでベンさんと一緒に頑張ってるんでした!!」

一瞬だけ二人の間に氷河期が訪れた。楓は本気で身震いした。

「……、私は参りませんよ?天秤にかければ此方を見ていたいです」
「桜?この【私】の命令でも、ですか?」
「引きません!!」
「行って下さいよ撮ってきて下さいよお願いですからぁ!!」
「嫌で御座います!!私は楓お嬢様と虎徹様を見守る次第!!それに、どうせいつかは解析が終わって止まるのですからそれからで良いではありませんか」
「……。桜、【アレ】が間に合うように、見えます?」

ドッカン!バッキン!と戦う大量のエビの大群vs.ヒーローズ。
元々エビの群れが止まる前提での意味の無い戦いだが…何より最初に自分達が相当体力を削りアーマーを壊してしまっている。万全でも負け戦なのにコレでは無理だ。斎藤のロック解除は間に合わない。

「…では親方様、何方かがロトワングの所に行きますか?」
「それも手助けの一つに入るでしょうが、もうちょっと持ちそうですし、もうちょっとピンチが来てからと言うか…個人的にロトワングはイボからの落下死亡も生で見たいと言うか…」
「もう、贅沢で御座いますよ?と言うかイボ狸が現れませんから相当時間を飛ばして着てしまったのですね?まだ時間軸の関係で此方には来れないのでしょうか?」
「えぇもう、ピンク部屋の【一話分】をすっ飛ばしましたからね。…桜のせいで」
「……。楓お嬢様…親方様が大人げ無く苛めて参ります…。私は悪く御座いませんのに…泣いてしまいそうです…」
「…………」

クスンと本当にショックで泣きそうな表情をする桜は、やはりいつものホワホワvな桜――とは流石に楓ももう思ってはいない。
何せ自分を抱き上げて、その上ヒーロー達もが交わしきれていない攻撃を軽々と交わしているのだ。菊とのんびり話しながら。
この二人が何者かは今はもう関係無い。だけど【この二人】なら…。

「……。お父さんを助けて…」
「はい?」
「二人なら助けられるんでしょ?!本田さん達ならアイツら止めらるんでしょ!?」
「楓さん?流石に動きが速すぎて酔いましたか?桜、楓さんに酔い止めをっ」
「いいから助けて!!お願い皆を助けてぇええええええっ!!!!」


  ドゴン―ッ!!!!!


「っー!!??」
「おや?」

楓の一撃に抱き上げていた桜が吹き飛ぶ。今の楓の能力は『ハンドレッドパワー』のままだ。油断していたせいで壁に激突した。
その光景に残りのヒーロー達も一瞬目を疑う。だが攻撃を止めることも助けに行くことも出来無い。
―っていうか正直助けて欲しいのはコッチだ!!

「か、楓っ!!お前桜さんに何して、っとお!!?危ねぇなぁ畜生偽物!!!」
「ぁっ、そ、そんなつもりじゃ…っ!桜さん!!!」
「今日の桜はアッチコッチからよく喰らいますねぇ。本日は大殺界という感じでしょうか…」

全くやれやれと言った口調で、止まっていると危ないので急いで菊が楓を抱えて攻撃を避けながら桜の元に向かう。

「虎徹さーん。楓さんの無事はお約束しますから気兼ねなくどうぞ。此方を気にしていられる状況ですか?」
「けど桜さんがっ!!!?」

その桜と言えば。

「はぁ~、吃驚致しました。楓お嬢様が今ハンドレッドパワーだなんてすっかり忘れておりました」
「オッケーですよ。ピンピンしてますけど?」
『「「…………」」』

絶句だ。本当に桜は何もなかったように普通に立ち上がってケロッとしている。だが背後の壁の巨大クレーターが威力の凄さの何よりの証拠。

   「無事ですね」
   「【本体】の枝先が数本折れた程度。支障はありません」
   「ならば結構。行きますよ」

瞬間、二人はまた攻撃を避け始めた。



「はぁ…もう驚きました。ですが逆にアニメ通りの【氷】でしたら相当危なかったです。【炎】もご勘弁を。この歳で吃驚やドッキリは心臓に堪えまする…」
「堪えているのは楓さんのようですが…。大丈夫ですか?桜は【頑丈】ですから大丈夫ですよ?一応私も」
「あらまぁまぁ!!楓お嬢様お顔が真っ青でございますよ!?どうなさいました!?親方様に苛められました!?」
「まだ引き摺りますかソレ…。免疫が無いのですから当然です。巫山戯ていないで、いい加減撮りたいものも取りましたし、やります?」
「え?ですがフェアリー斎藤様とアンダースーツが…」
「このまま長引けばラストは【大ボスのアニエス嬢】が来るのですよ?取り敢えず虎徹さんのタイムリミットもありますから」
「…そうでした。承知仕りました」

スタン、と菊と桜が床に着地して楓を降ろす。

「【時間制限】って、リアル三次元ですと好きでは御座いません…特に締め切り…」
「アニメ枠の神聖なる30分を何だと思っているんですか。そこに上手く詰め込む事こそが我らの誇り高き民の力。楓さん、少々手荷物ですがカメラ達を宜しくお願いします。貴女に怪我をさせては貴女自身に申し訳が立ちません」
「えっ?わ、私っ?何か…」

狼狽える楓にドサッと、結構な重さの荷物を渡して菊と桜がフワリと微笑む。

『「神様はちゃんと、貴女を見ていましたよ」』

   それは神社での話。
   神頼みをした時の話。
   何故今ソレを…





◆◇◆





「やぁヒーロー諸君、随分手こずっているようだねぇ?」
【「マーベリックっ!!!!」】
「貴様あぁぁあああああ!!!!良くも僕の記憶をっ!って、あぶなっ!!父さんと母さんをっ!!!」
「バーナビー、君も、君の両親も本当に良いものだったよ。だが、殺した。君ともお別れだ」

一段上がった場所から漸く真打マーベリックの登場だ。
だがあまりのスケジュールぶっ壊しが相当響いたのか、多分急いだのだろうか、ゼーゼー息が切れている。それでも余裕の笑みだ。虚勢は醜い…

「それともまた、新しい記憶を授けてあげようか?」
「黙れえぇええええ!!!父さん達を殺して挙句にその技術をヒーローの代理だなんてっ!!お前だけは絶対に許さない!!!!」
「ふんっ、そうやって私に構っていられる余裕が有るのかね?」

こうやって話している間も容赦の無いH01からの攻撃。ヒーロー達はまだ一体も壊せていない。銃を奪えても【殺しのいろは】を知らないので扱い切れないのだ。

「この世界はアンドロイドがヒーローに為り変わる。NEXTが世を支配すればソレでいい」
「何だとおぉおおお!!??」
「そしてワイルドタイガー。君の娘さんに加えてその二人。人質にわざわざ連れてきたのかね?」
「キャアッ!!?」
「おやまぁ」
「なっ!?楓っ!本田さん達っ!?」

荒れ狂う部屋の中には黒いスーツの人間も混ざっていた。そして楓と菊と桜が後ろ手に捕まっている。
だが二人の危機感の無い表情は変わらない。

「本田さん達!何で捕まって!?」
「【人質】の方が安全である事の方が多いのですよ?まぁ現状は事が白磁の元に晒されているのに、人質を取る理由が全くもって理解不明ですが…」
「ご安心下さいませ虎徹様。逃げようと思えば直ぐにでっ」


   ガッチャン!!バキベキっ!!
   ガキバキベキ!!ガンッ、ガン!!

「「…………」」


それは、【絶対に鳴ってはならない音】だった。
落ちたのだ。カメラその他が詰まった鞄が。そして証拠隠蔽という意味で踏み潰された音…
今日一日の、萌えを吸収してくれた機材たちが、全て壊されている音…。

「あぁっ!!何すんのよソレ本田さん達が大切にしてたのにっ!!??」
「そんなに立派な証拠は残されては困るのだよお嬢さん」

まだ一時間経っていないので楓にハンドレッドパワーは使えない。
その後ろではグシャグシャと機械が破壊されている音。悔しくて仕方がない。

「ヤダっ!!止めてよお願いだから!!!二人が大事にしてたのに壊さないでぇ!!!!」


   二人が居なかったら自分はこんな恐怖の部屋にはいられなかった。
   二人が居てくれたから、父の活躍や他のヒーロー達も見ることが出来た。
   安全な場所で…怖がらせない様に二人は自分を守っていてくれてたのに。


「っはははっ!!ワイルドタイガーの娘だという事を後悔したまえお嬢さん。ヒーロー諸君!君たちは名誉の戦死として葬られる。安心して死に給え!!」
『「くっ…!!!」』
「それとも私を訴えるか?証拠は何も無い!そしてこの街の一番の権力者であり信頼もあるこの私を訴えた所で、誰も信じない!!気が狂ったとアッバスにでも入り給え!!」

悲痛な楓の叫びに、反撃が出来ないヒーロー達。ソレを見下し高笑いをするマーベリック。
だが…



    『死にたいのですね』



もはや怒りを通り越して【鬼神モード】で冷酷に笑う菊と桜のハモリが全てを凍らせた。
ヒーロー達は知っている…この声、この雰囲気は紛れも無くここに来る直前に二人が一瞬見せた姿。
だが今はソレ以上だ。正直、足がすくむ。

「…うぬはどれだけ『我が民』を苦しめれば気が済むのか…この下衆風情がっ…」

菊が言い終わった瞬間、桜の薙刀が一気に敵黒スーツ達を無言で仕留める。
本当に、一瞬の事だった。瞬きの間に終わっている。そして誰一人、起き上がってこない。

「…幼子が居りし故の峰打ちです。楓お嬢様の存在に感謝なさりませ?…首を飛ばしても飽き足らぬこの所業…何と愚かで見苦しき事か…」

桜が怒りを込めてザン!と薙刀を床に突き刺す。もう動かない証だろう。
次は、菊だ。
桜によって自由になった身体で日本刀を抜き、ヒュン!と血振りをする。
その瞬間、ブラックタイガー達が音と同時に【菊の花びら】に変わって崩れた。アポロンの屋上の時と同じだ。
静かに花びらが舞い落ちる。

「…マーベリックさん?此方の花は冠婚葬祭のどれに使われるかご存知ですか?」

   床に敷き詰められている、菊の花びら。

「し、知るかっ!?」
「ではお教え致しましょう。我が国では…」

タンッ!と菊が全員の目の前から消えた。


   「『死人(しびと)へ送る花』ですよ」
   「ひっ!?」


違う。マーベリックの直ぐ目の前の手すりに移動していた。速すぎて目が追い付かなかったのだ。
そしてカチン、と刀を鞘に収める音が響く。

「うぬは大いに悔いて生地獄を味わうがよいわ」
「うっ、がぁああああああ!!!!!うああぁぁあぁあああああああっ!!!!」

軽い足取りで菊が二階から飛び降り、同時に盛大に叫びながらマーベリックも転がり落ちてきた。

   何を、絶叫しているのだ?
   何が、起こったのだ?

「皆さん大丈夫です。殺してはいませんよ。動けぬよう手足の所要な筋を斬っただけの話。これで自らへ能力を出し痴呆にもなれません。裁判での『精神疾患』の恩情は無し。手にさえ触れなければ安全な『芋虫』です」
「筋だけですか?健ごと切ってしまえば宜しかったのに。情けなどいらぬでしょう、そのような下賎には」
「建まで斬ったら痛みでショック死する可能性があります。今でさえ此処まで惨めに叫ぶ程痛くは無いというのに…」
「椅子に座っているだけの裸の王は、余程運動不足で痛みに弱いのですねぇ。…全く、この程度で無様な…」
「こっ、殺せぇええ!!さっさと私を殺せえぇええええ!!!!」
「さぁ皆さん、好きなだけその下衆に怒りをぶつけて下さい。私が少々手出しをしてしまった事は、多めに見て頂けると助かります」

怒りが静まったのか、菊も桜も表情は戻っている。
ただ、その笑顔のままで菊はマーベリックをヒーロー達の中央に蹴り転がした。

「ふむ…まだ生きているのに【菊】は少々似合いませんねぇ。ホラー映像で何処かに投稿してみます?」
「あのぉ、皆様どうぞ好きなだけ結構でございますよ?特にバーナビー様は飽きたらぬ程ではありませんか?」

桜が動かないヒーロー達に不思議そうに話しかけるが、やはり誰一人動かない。
――怖いのだ、容赦の無い二人が。


     足掻け、足掻け。
     死人への花に埋められて、辿りつけぬ死に向かって無様に足掻け。
     動けもせずに、惨めに足掻け。


「こっ、殺せ!!私を殺せ!!!」
「殺人は犯罪です。それは各国どこでも当たり前です。貴方が『虎徹さんに付けたレッテル』を私共にやれと?何と調子の良い話。せめて自殺して下さい。誰にも迷惑のかからぬ状況になってから、ですが」
「クソッ!!!このまま生きていてもっ!!!」
「【ウロボロスに消される】、ですか?だからこそ親方様は貴方の両手を封じたのですよ。自らの能力にて廃人と成らぬよう」
「死刑制度があれば完璧に死刑ですが、シュテルンビルトには無い…。【ウチ】でやれば良かったですね?」
「ばっ、馬鹿を言うな!!私に罪など何一つ無いんだぞ!!??証拠も何もな!!!!お前達のビデオは全て壊してあるんだ!!!」
「ソコまで手緩いと思われていたとは、コレは心外」

菊が軍服からスっと何かを取り出し全員に見せる。マーベリックは真っ青だ。

「いつ何時、何があるか分からぬもの。荷物は分散する事。常識です」

そこにはボイスレコーダー。
スイッチを押せば先程マーベリックが叫び倒していた事が全て録音されていた。

「この証拠とヒーローの皆様の証言、そして貴方が記憶を持ったまま生きている。この3つで十分では御座いませんか?」
「生憎筋を斬っただけですのでその傷は必要部分以外は治ります。生涯自由に動く事は出来ませんが、私共は貴方の死を許しません。自殺するなら【今】ですが、今は痛くて動けませんでしょう?」
「こん、のっ……悪魔がっ!!!」
「おや失敬な。真逆ですよ私達は?何せ貴方を『生かして上げている』のですから。感謝されこそ有り、非難の謂れは心外ですねぇ?」

二人が静かに笑う。

   
   どれだけ苦しんでも、懇願しても、殺してなど、上げませんよ?
   私達はそこまで【優しい存在】では有りませんから。





◆◇◆





こうしてアルバート・マーベリックの企みは全て公になり、ヒーロー達の証言や菊のボイスレコーダーによって【シュテルンビルドの王】は地に落ちた。
到着した際には既にズタボロで終わっていた事にアニエスからのド級説教を咬まされたヒーロー達。そしてその怒りは黙秘を続けるマーベリックにより頂点に達し、怪我人相手に容赦無く【暴行】という形でへぶつけられる事となった。あまりにあまりのリンチっぷりに、《説教で済んで良かった…》と、ヒーロー達は心の底から思った。
アニエスは、怖い。

「っていうか、このボイレコ誰が持ってたのよ?ちょくちょくと今回は小柄な日系の二人が乱入してたけど、結局誰だったの?」

漸く気が済んだのか、マーベリックの返り血でぐっしょり濡れているアニエスの質問には誰も答えなかった。
誰と言われても……。

コッチだって知らないのだから。






◆◇◆





――後日。


「はーぁ、やはり少々やり過ぎましたかねぇ?」
「まぁ【過ぎた事】ですよ。あとはどうとでもなりますよ」

神社に向かいながらいつも通りホワホワしながら喋る二人。その手には弁当箱。
あの後アニエスに映されては堪らないと急いで消えた。そしてオリエンタルタウンの自宅にてPC相手にデータ管理を楽しく始めて菊と桜は萌え死んだ。
処理している内容は勿論事件の時のすべての写真やムービーだ。随時PCと連動していて全て保存されていた。
あの時の怒りは機材をぶっ壊された怒りだ。SDも壊された。いくらロムとして全て残しているとは言え、遠距離連動システム内蔵のカメラやムービーはお値段が張るのだ。
ちなみに絶賛【二日後の筋肉痛】に襲われて酷い目に有ったのは言うまでもない。やはりご老人。二人共染み染みと体感させられた。

「【本日】が過ぎましたら、国へ戻りましょう?御上に報告も致しませんと」
「そうですね。それに作業はやはり自宅の机です」

そんな会話をしながら階段を上がれば、今日まで【此処に残っていた理由】が揃っていた。

「あ、やっと来た本田さん達!!」
「こんにちは。遅くなりましたでしょうか?」
「いや、俺たちが早く来ちまっっただけの話だからさ」

ソコに居たのは鏑木親子にヒーローズ。既にシートを敷いて宴会状態だ。

「本日はお誘い頂きまして有難う御座います。あ、お団子を作って参りましたので宜しければ。色々種類も作りましたので、お口に合えば宜しいのですが」
「もう酔ってる方もいますか…日も高いのに早いですねぇ」
「ンもう、可愛い顔してお固いわねぇ?さっさとコッチ来て座りなさいよ二人共!!」
「こないだはありがとう!そしてありがとう!!そして座ってくれたまえ!!」

既に酔いが回っている二人に急かされて、菊も桜も開いている場所に座る。

「なーんか…すっごい別人過ぎない…?」
「僕も同感…。この人達が…絶叫しながら襲いかかってきたなんて…しかも強かったっていうか…」
「……。普通の人、だよねぇ?こんなフワフワさんがボクの雷撃喰らって平気だった訳…?」

あまりののんびりっぷりに、二人を疑う年下組。
今日は普段通りの着物なので、余計に疑いが持ち上がる。

「っしゃ!!そんじゃ今日は今から二人へのありがとう打ち上げ開始だー!!!」
『「「「おーっ!!!」」」』

虎徹の一言で宴会開始。今日は二人への事件解決への感謝を込めての打ち上げだ。
だからこそオリエンタルタウンのこの場所まで全員やって来たのだ。

「つーか菊さんも桜さんもよぉ、結局何者なんだ?思えば俺のチビの頃から全っ然歳食ってねぇよな~」
「えっ?お父さんそれホント!?本田さん達不老不死なの!?」
「ヤダそれ羨ましいわね!!ちょっとどんな秘薬使ってるか教えなさいよ!!」
「その次でいいんだがあの強さは一体何なんだい!?知りたい!そして知りたい!!」
「絡みますねぇ皆さん…」

怒涛の質問責めで菊も桜も苦笑するしか無い。一応、正体は最初に名乗ったのだが…
そして菊は自分が『日本』という【国】であること、桜はその【国花】である事だけは話した。ソレ以外の萌えや同人の部分は……とても話せない。未成年が居る。

「にっ、日本!!菊さんは【国】なんですか!?」
「えぇ、国ですよ。統治しているのは私ではありませんし、【土台部分】と言った感じでしょうか」
「うわあぁああ握手して下さい握手!!あとサインも下さい!!!漢字でお願いしますっ!!うっひゃああぁああああ!!!!」

完璧に壊れたイワンに捕まった菊。そして桜は桜で、

「三千歳以上…?はっ?なんなのよ燃やして桜のチップで燻製に使われたいの?」
「確かもう四千に近かったか超えたような気が致しますが…流石に数えるのがもう億劫でして曖昧ですが…」
「ちょっ、待って。千年単位での年齢の数え方ってあっていいの?おかしくない?!」
「じゃあ桜はすーっごいお婆ちゃんって事なの?」
「えぇ、もうとーっくにお婆ちゃんですよ?お婆ちゃんになってからの方が長う御座います」
「なのにあんなに強いとか卑怯じゃないのよ!!お婆ちゃんが最強とかどういう事よっ!!!」
「え、あっ、そのっ…な、長生きしておりますのでっ…皆様より鍛錬の時間が長いですし…」
「そーんな言い訳通用すると思ってんのアンタ?!あぁ嫌だ!嘘って言って欲しいわ!!」
「し、信じなくても宜しいのですよっ?!私は普通に暮らしているただの一般人として…」
『「今更無理っ!!!」』

女子組に絡まれていた。


   『「盛り上がっていこうぜーい!!!」』





◆◇◆






「…楓さん、詰まらなかったでしょう?」
「へっ?あ、そんな事無いですよ!!」

粗方全員酔い潰れたか寝たかで静かになった頃。
酒は禁止な楓だけは(ホァンは気付いたら呑んでいた)最初こそ能力コピーで皆と楽しんでいたものの、途中からシラフのままで大人について行けずにいた。
桜もちゃんと気づいていたが、酔った女子組ほど怖いものはない。構いに行こうにも捕まりっぱなしだし、菊は菊でご近所つきあいもあるので無下にも出来ない。
やっと二人共逃げ出せ、境内でぽつんと座っている楓のところにやって来た。

「何か、私共にお話があったのではありませんか?」
「あ、…うん…。あの、今から言う事、『私の頭がおかしい』とか…思わないで下さいね?」
「勿論。楓お嬢様は正常ですからきちんと受け止め、お答えするつもりで御座います」

菊も桜も、やっぱりいつもの笑顔だ。生まれてからいつも見知っている和やかで危機感のない笑顔。
事件の時と同一人物とは信じられない。

「…あの時神社で私がお願いした時…菊さん、私がお願いしたことを知ってましたよね?」
「えぇ、存じておりました」
「菊さんも桜さんも、偶然彼処に居たんですか?」
「偶然も良い方向に向かえば、素晴らしい幸運ですよ」
「………」

確かにあの時の偶然が、結果的には全てを丸く収めた。
どう聞いたら良いのか分からなくなってしまった楓に、菊が言葉を紡ぐ。

「楓さん、我々は決して【神様】と呼ばれる存在ではありません。まぁ【人間】とも言えないので難点ですが…。それに元々神様は、あの時お話ししたように何もしません」
「何も、しない…」
「はい。全ては【願う人間の努力】が結果となるものです。楓さんは十分に願いを叶えるべく戦いました。私達はそれを成就させる為に、最後にほんの少しお手伝いをしただけです」
「虎徹様の為に幼いながらに見事に信念を貫き戦いました。私共はそれを見ておりました。ですので、ほんの少しご近所付合いの縁という事もありましたので」

ご近所付合いの縁…。

「…じゃあもし私が本田さん達と全く無縁だったら、何も起こらなかったって事ですか?お父さんたちは助からなかったって事?」
「いいえ、ソレは違います」

二人の笑顔は柔らかい。

「それも『偶然の成せる技』と言う事です。必然を求めてはいけません。それに私共の力が無くとも勝算があったやも。それもまた偶然。そして良い偶然を起こすためには【信念を通し努力を怠らぬ事】」

と、言う事ですよ。
そう言って菊が楓を撫でる。

「楓お嬢様はそれを今回、実体験として身体に刻まれた筈です。どうぞその御心持ちを、お忘れなきよう。素敵な女性になって下さい」

桜がそう言うと境内のヒーローズの元へ行き、肩を叩いて起こしていく。

「さぁさ皆様起きて下さいな。此度の勝利は楓お嬢様あっての事で御座いますよ?願いは【叶える努力】をすれば、必ず叶うのですから」


   サァアアアっとサクラが舞い落ちる。
   それはまるで、楓を包むように優しく。

「お疲れ様でした楓お嬢様。そしてヒーローの皆様。幼き童女の大きな願いと努力に感謝を」

   綺麗に綺麗に、桜が舞い落ちる。

「そして皆さんの今後の未来と活躍に栄光あれ。お疲れ様です。そして御機嫌よう」


   ――願いは、伴う努力をすれば、必ず叶います。
   ――信じる事を、諦めぬよう。






サクラの花が消えた頃、菊と桜の姿も消えていた。
だが誰も不思議には思わなかった。ただ『ありがとう』と、そう思った。
また何時か、ひょっこり現れてフワフワと笑顔を見せてくれるだろう。家に長期間居たり居なかったりが多い二人だ。

「やっぱ大事なのは、『信じる事』、だわな」
「うん。今度本田さん達に会うまでにいい女になるよ私。お父さんもね?」
「おう、頑張ってみる。うん、よし。帰ろうか?」


さぁみんな。
おうちに、かえろう。
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プロフィール

寅丸

Author:寅丸
アニメが終わってからデュラの存在を知った可哀想な感じの人。原作しか知りません…orz。きっと静雄と派生が好きだと思う。ケロロは電波黄色と喧しい。10年目でいきなりハマった。なので【今更】。ピクシブ  呟き

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