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イマサラ

腐向け/R15/DRRR!!・K66・TIGER&BUNNY中心/いろんな妄想ダダ漏れな欲望全開。

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●何で兄やんて腐男子にならんのん?

ウチの妹、腐女子です。<●=●>カッ!R


   どす恋わっしょい!!エビバディわっしょい!!


「………」

この恐ろしいほど自己主張の激しい着ボイス。
妙ちゃん、一体何処で拾ってきたん?何故『自分設定これがえぇ!!』とか言うのん?
兄やんいっつも分からんし、正直何か、出た無いねんけど…。


「外で鳴ったら堪らんわ…」




●#9●




『なんやシケた面して元気無いんか?つか静雄兄やんは?』
「妙ちゃんの着ボが鳴る前まではめっちゃ元気やったよ…。静兄は仕事。なぁコレえぇ加減他のにしたらアカン?」

ノーパソ開いてテレ設定。
画面の向こうの妙ちゃんは、今日も元気そうで何よりです。

『アカン。兄やん恥掻かす為に必死に探してんから、勝手に変えたら三ヶ月は口聞かんで?』

   もー何この我侭お姫様!!めっちゃ怖い!!
   相変わらず俺にだけ反抗期なんやから!!
   あと俺に恥掻かす為にそんな労力使うなアホか!!!!


「口聞かんと困るんは妙ちゃんやろ?兄やん勉強見たれんやんか…」
『んなもん、ウチは喋るから兄やんは筆記かパソやん?勉強は見て貰わな困る』
「【口頭説明がアカン】とか難易度高い説明、面倒やから嫌やわ。つかどしたん?何やあったの?」
『やっと塾がお盆休みでお母さんからノーパソ返ってきたから使ってみただけ。んで、ちょお真剣に相談やから聞け』

何故、命令形…。
つか【真剣に相談】とか珍し。何やろ?

「なー、ケータイでアカン?俺今パソで調べもんしたいんやけど…」
『ふーん、『可愛い妹からの大事な相談』と『自分の碌でも無い事』を天秤に掛けるんか?随分偉なったなぁ兄やん?』
「自分で『可愛い』言わんの、可愛さ減るから…。話だけならケータイでえぇやん」
『聞けや』
「……。嫌やぁ言うても喋るんやろ?…俺でよければ…あの着ボは一日二回も聞きた無いし…」


もう嫌怖い!!でも逆らうともっと怖い!!多分俺の部屋破壊される!!
もし静兄や幽兄がこの妙ちゃん見たら吃驚するやろなぁ…。妙ちゃんの猫かぶり半端無いし。
俺が諦めた顔したら、なんか妙ちゃんがホンマに真剣な顔になった。
あらま、ホンマにどしてんやろ?そんな顔されたら心配なるやん。


『あんな?ウチの友達やねんけど、親が再婚して【新しいキョウダイ】が出来たらしいんよ。上に二人兄貴が』
「へー。それって兄妹仲があんま上手く行ってへんとか言うヤツ?」

その前にそんなドギツイ環境な友達おってんか。
んー、思春期の女の子にいきなり兄貴とか増えたらそれだけでもしんどいやろなぁその子。
まぁそんな複雑な家庭内の事も、妙ちゃんやから相談されたんやろけどね。
兄やん、ちゃんと妙ちゃんがしっかりしてる子なんは知ってます!!ココは自慢です!!

『コレがまたちゃうねん。逆』
「逆?」
『何かな?【その新しい兄貴二人が自分の事めっちゃ好き】らしくて困っとるらしいんよ』
「はっ?」
『所謂【三角関係】的な?新しい兄貴二人に取り合いされとるんやって。けど自分のせいで喧嘩されたないとか』
「ごめんちょおストップ待って?!そんなサラサラ言うけど妙ちゃん結構凄いこと言うとるよ!?」

   再婚先の兄貴二人に取り合い?
   はぁ!?何その二次元みたいな状況!?

「ちょっ…ソレってその子もその新しい兄貴二人を好きなん?『兄妹愛』なんか『ガチ』なんか。そこで大きく話変わってくるで?」
『ウチ法律よぉ分からんけど、コレって近視相姦になるん?やっぱ結婚は無理?』
「そんな言葉使わんの!!つかソコまで進んどるんか!?あと一応血縁上半分は近視相姦やし結婚は法律上絶対出来ません!!」
『そーかぁ。なぁ兄やんどう思うー?』
「どうって…言われても…。その子がどうしたいかによるやろ…」

ジュース飲みながら普通な顔して聞いてくんなやそんな話!!
どんだけその子が可愛いか知らんけど、妙ちゃんの友達なら小六やろ?!
バリ犯罪やん。
何か他人事やからオモロイけど今時の子、進んでますね…。


「なぁ妙ちゃん。その友達は『二人の兄貴を選ぶ立場』って事?」
『うん。『どっちも好きやし選べません』みたいな。ちゅーか兄貴たちがえらいガッツくみたいで意見聞いてくれんのやと。その子気弱やから翻弄されとる』
「まぁ意見を聞いてくれたら悩まんわなぁ…。兄貴等いくつ?ついでに友達も」
『成人と大学生。友達は高校生』

ん?高校生の友達?なんやネット関係か。
リア友でも無いんに随分親身に聞いてやってんやなぁ。

「何や高校生とか。ごっつ落ち着いた。妙ちゃんの友達て小六でめっちゃ犯罪とか思って焦ったわ」
『流石にウチでも同い年の友達がこんな状況やったら兄やんなんかに話さんわ』
「よなぁ。俺かて話されても困るだけやし。はぁー吃驚した。ちゅーか高校生なら【もう自分でしっかり判断しぃや】って感じすんねんけど…」
『まぁ言えとる。もーな?ウチ的にも【メンドイからいっそ3Pイってまえ】って感じや』
「妙ちゃんお願い言葉選んで!?」
『兄やん煩い…。んで、どう思う?』
「えー?どうもこうも…。まぁ俺の意見としては何とかどっちか選んで、結婚は出来んけど一緒に暮らして内縁の妻でえぇんちゃうかぁ?選べんなら三人でも」
『投げ遣り意見出すなボケ。将来的な事や無しに今悩んでんねん!』
「そんなん言われても俺には分からんよ。妙ちゃんのリア友なら真剣にもなるけどチャットとかやろ?ネタとかちゃうかぁ?」

   兄妹で恋愛なぁ…。
   ウチやと絶対ありえん現象やな。相手が妙ちゃんとか。兄妹な今でも俺、ハグだけで殺される。
   異母が異父かは知らんけど、俺と同年代の女の子ならそんなもんで悩むかぁ?


「【女の子やから身持ちをしっかりせんかい】と、おっちゃんみたいな意見しか出ません。ちなみに妙ちゃんは言葉遣いをしっかりして下さい。腐女子発言控えて下さい」
『………』
「…妙ちゃん?」
『兄やん、やっぱ自分アホやな?』


ハッ!といきなりなんかニヤっと笑い出した。
俺は死ぬと悟りました。だからこれ以上追撃はせんとってお願い!!!!


   『ウチがいつ【兄妹】て打ち込んだ?いつ【妹】て言うた?』


やっぱそういう事か!!
あーもー泣きそう!!

「またそんな漫画読んでっ!!つかよぉ買えたな小坊!?」
『18禁ちゃうもーん。で、今そこで止まってんよ話。続き気になってまって』
「知らん!!俺に聞くな腐女子!!つか何で俺に聞いた!?新たなイジメか!?」
『こんな表紙です★』

ゲラゲラ笑いながら漫画を見せてくる妙ちゃん。
肌色多いし男しかおらんよ!!
ホンマに何でお前買えた!?店員さんちゃんと年齢確認して下さい!!

「…その無駄なスキルアップをやめて下さい。その異常な上げ方を勉強の方にスライドして下さい…」
『今はパソでも楽勝で18禁見れるからな。つかな?何で兄やんて腐男子にならんのん?』
「え、何その質問!?ならなアカンの俺!?」
『やって兄やん条件バッチリやん。【童顔・チビ・弱い・男子校・男にモテる】。素質有るし、ベタな設定盛り沢山やで自分?』
「【素質】って何や?!男子校は妙ちゃんが思うような【薔薇の学園】じゃありません!!取り敢えず全国の男子高生に全力で謝れ!!!」
『ふん、そう言うて学校で『色々大変』な癖になぁ。ウチが何も知らんとでも思てんか?』
「何もって何?!俺普通に学校行っとるだけやんか!」

ちょっ、この子何を知ってんや?!
つか小坊そろそろ黙れ!!俺切腹したい!!


   『【兄やん情報】が欲しくてリークなんぞ日常茶飯事やで?儲かるし。相手ゴロゴロおるし。誰かは言わんけど』

あ、俺死んだ。
強すぎるよ、妙ちゃん…。



『ほんでな?この漫画の状況が今の兄やんとソックリやん。ほぼまんま』
「は…なに…?」
『しっかり聞けや。ダメージ受け過ぎやろヘタレとんなぁ…』
「妙ちゃんの心が鋼鉄過ぎるだけです。兄やんはもう死亡しました…勝手に喋ってください…なんとなく聴いてます…」
『ったく。せやから、【静雄兄やんと幽兄やんの所に『自分が突然入ってきた』。兄やんは『血縁関係は無い』】。ほらまんま』
「三人一緒に暮らしてませんけど…幽兄は芸能人さんですけど…俺別に二人にガッツかれて無ければ性的関係も持ってませんけど…」

一箇所嘘ついたけど勘弁してくれ。
けど幽兄のなんかノーカンやろ?多分。つかこんな事口が裂けてもコイツには言えん。
えぇ加減しっかり勉強せんと中学落ちんでホンマに…

『チッ、まだケツヴァージンかつまらん…』

し、舌打ちされた!?
実のやないけど妹にこんな大事な事を舌打ちされたっ!!

「お前…兄貴が従兄弟にカマ掘られて楽しめるんか?」
『うん。ほんでな?』
「肯定なんか!?妙ちゃん酷過ぎる今の!ホンマに酷いよ兄やんそんな妙ちゃん嫌いやっ!!」
『うっさい勝手に嫌え黙って話最後まで聞けアホ』


   やーだーもーおぉぉおお…
   俺、妙ちゃんのせいで軽く女の子恐怖症になりそう。


『ウチさっき言うたやん?漫画の続きが気になるて』
「……で?」
『【主人公の気持ちになってみよー!!】って事。あの兄弟のサンドイッチになってどんな感じか報告して?』
「無理」
『兄やん…、兄やんはやれば出来る子や。ウチは知ってんで?…なっ!?』

なんて可愛ぇ笑顔で飛んでもない事を言うんやこの子。
ちゅーか、妙ちゃんが俺に笑顔とか久々過ぎ。なんか新鮮。
んでもって丸見えな裏が凄すぎてやっぱ怖い。

「いくら妙ちゃんからでも全然嬉し無いですそんな言葉…」
『嬉し無くてえぇからやれ。気になる。ウチ女やから男の気持ち分からんもん。ぶっちゃけ兄やんが男で羨ましい』
「俺男やけどそんな事が気になる女の子の気持ちが分かりません…。むしろ分かりたくないです」

  『勝手に兄やんが知ってくだけやん?勝手にウチの話聞いて』
  「勝手に聞きた無いのにお前が聞かせてくるんやんけ。人のコンポにBLCDセットしたり…」

こいつはいったい俺をどうしたいんやホンマに…

『けどアレ人気声優さんのやで?えぇ声やったやろ?』
「声以前にキショイねんて男同士であぁいうのは!!爆笑の渦に陥れられただけや!!!変な知識を俺にねじ込むのと俺を実践で使用するのをえぇ加減やめて…」

何でこんな子に育ってまったんや。
この事に関してだけは恨むで両親。

『安心しぃ。ウチが立派な腐男子に育てたる!!あと【自分がホモや】て認めろ』


   ………。 
   ………ん?


「え、ゴメン何故?今の発言今日イチで吃驚した…。どうして根拠も過去にも無いことを捏造されなアカンの?」
『別にえぇやん。減るもんやなし!』
「何か分からん変なもんが増える気がする…。妙ちゃん、ほしたら俺は妙ちゃんに『百合やと認めろ』とか嘘っぱ言うてえぇんか?」
『言うだけはタダやし言えば?別に今の年齢で百合や言われてもダメージ無いし。ただ兄やんがウチにシバかれるだけで』

もう嫌この子…。
俺、甘やかし過ぎたんかな?兄貴として全く扱われてへんねやけど…

『ほな報告待っとるから。『知らん・分からん』とか下らん事送ってきたらホンマに口聞いたらんからな!!』

そこでブチッと勝手に切られた。

   どうしよ、涙よりもカラ笑い出そう。
   今日、夜に幽兄来て三人でご飯なんよね…
   いきなり実践ですかそうですか…。
   妙ちゃん?兄やん、出来る範囲で頑張ってみるから口聞いてね…。



こうして俺は妙ちゃんに見せられた漫画を、誰が買うてまでキャラ知るか!って事で。
ウィキペ先生に教えてもらってキャラや内容をインプット。
中々どうして、漫画の兄貴達は、確かにガッツいとった。ベタに【イケメン兄弟の所に気弱で普通な高校生が挟まれた】て感じ。
俺思うんやけど。
何故BLって『イケメン』に限って『普通』に手を出す?まぁ妙ちゃんの漫画情報なんでヤツの趣味やろけど。
えぇ男同士って言うのは無いんかなぁ?腐女子受けが悪いって事?おもんないとか?
でもそれは作者さんの構想力と買い手の趣味の問題か。んー、良く解らん。あー、でも漫画でノーマルでも大体は片方だけ普通設定か。

………。
アカン、毒が回って来とるぞ俺…。
妹(しかも小坊)の策略に飲まれてたまるか!!


まぁ俺が主人公のキャラをやったとして、この漫画の異母兄弟な兄貴達みたいに二人がなる訳が無いんやけどね。
俺、ごっつ今更二人に突然ドキドキ出来るんかなぁ?努力しようにもどうやって何処の力を発揮すれば…
妙ちゃん、そこは兄やんのせいやないから宜しく!!




◆◇◆





夕方になり静雄は帰宅し、取り敢えず優の異常に気付いた。
そして幽も仕事を切り上げやって来たが、やはり優がおかしい事に直ぐ気付いた。

「兄さん、優どうしたの?」
「分かんねぇ…俺が帰った時にはもうあんな感じでよぉ」

ソファで酒を飲みながら、夕食の片付けをしている優を見ている平和島兄弟。
とにかく今日の優は一切触らせてくれないのだ。

「…お触り禁止令」
「そうだと自己発令になるぞ?朝は俺、普通に撫でたし」
「俺さっき手ぇ弾かれたよ…どうしたんだろう」

あれだけベタベタボディーランゲージの激しく、【触る・抱き着く・ベタつく】が当たり前の優が二人に一切触らせない。それに逃げ腰だ。
ただいまと、静雄がと頭を撫でようとすればサっと避けられた。
お邪魔しますと、幽が夕飯が何かと肩越しに覗こうと、肩を触ろうとしてもスっと避けられた。
まずソコからありえない。いつも嬉しそうに『もっと撫でろ!!』と言う仕草をしてくる癖に。
そして腕や肩に触ろうとしても避ける。もしくは払いのける。表情も照れているにしては無理をしているようでガチガチだ。
いつもなら何もせずともいきなり犬のように抱きついて来たりするが、それも一切ない。
ある意味男としてはとても当たり前なのだが、優の場合は朝と態度が違いすぎて違和感抜群なのだ。

「喋るだけ、マシか?」

静雄は甘いカクテルを飲みながら取り敢えず心配で仕方ない。また新羅を呼ぼうか迷い中だ。

「普段通り喋る分だけ違和感が凄いよ。何か無駄にドジっ子スキル身に付けてるし。演技下手過ぎる」
「演技?」

ビール片手の幽がコクンと不機嫌そうに頷く。
折角来たのに、と面白くない。

「うん。何のキャラがやりたいのか分かんないけど演技。多分優の苦手分野だと思う。だからソッチに意識が行ってドジするんだ」
「そっか…。え、でも何でわざわざ?つか何がやりたいんだアイツ?」
「分かんない。それが分かんないから面白くないよ。無理した優なんて」

うーん、と考えた所でまさか妹からの命令であるなんてこの時点で二人が分かるはずもない。
優が一生懸命二人を漫画の中の兄弟のように仕立てようと意識しているなんてもっと分かるはずがない。
そして、分からないからどんどん腹が立ってくる。



「あっ!せやせや二人とも!!」

何か思い出したのか、優が二人の元にやって来る。
いつも通り床にぺたっと座るが、分かりやすく二人から距離を取っている。

「妙ちゃんが二人と喋りたいて。ちょうど揃ったし今えぇ?」
「別にいいけど…」
「ほなちょお待ってなー。妙ちゃんも今日ようやくノーパ返して貰えたし。あと受験ストレスの愚痴を聞いたって下さい」

ゴソゴソといつものノーパソをセットしながら優がケータイで連絡をする。
電話の向こうからは大きな声の関西弁が聞こえてきた。妙だ。

「…ん、コッチはもう繋いだ…。……兄やん今必死やで?口に出すな色々崩れる…」
「優?」
「あぁ、何でもあらへん。…、はい繋がった!」


   『二人ともこんばんはー!!久しぶりー!!!!』


パッと画面のモニターに元気な妙の笑顔が写る。
そしてやはり兄妹だなと思わされるほど、声がでかい。


『兄やん退け。二人が見えん』
「はいはい。ほな静兄も幽兄も相手したって?嫌んなったらぶち切ってえぇから。取り敢えず妙ちゃん声でかい」
『ソッチのボリューム下げたらえぇやん。ウチこれ以上小声嫌』
「それは小声と言いません。ほな」

そう言ってモニターを二人に見えるように置き、優はまたキッチンに戻っていった。
一瞬見えた表情もやはり作り物だ。愛想笑いでは無いものの、作っている笑顔なのは分かった。



『わー、静雄兄やんも幽兄やんもやっぱ格好えぇねぇ。選べんわぁ…。あ、うちのアホがホンマお世話んなってます』
「久しぶりだな妙。優はむしろ何でもやってくれるから助かってるって伝えてくれ」
「久しぶり。大きくなったね」
『そらもう11歳ですから!あーもー、兄やんの代わりにウチが行きたかったわぁ。こないイケメン兄弟に囲まれた生活とか溜らんて!!』
「殆どアイツ一人だぞ?昼間は俺も仕事だし。妙じゃ寂しいだけだろ」
『えー?でも朝と夜は一緒やん?夫婦みたいな!!あ、でもウチが行ったら【一夜の過ち】が起きる可能性!?むしろ起きて欲しいけど!!』
「ないないない無理。俺と一周り違ってる癖に色気付くな小学生…」
『全力否定やな…。静雄兄やん今の小坊ナメとんやろ!?アカンでー?分からんもんよナニするか!!』
「妙さ…優と同レベで喧しくなったし、妄想力も逞しくなったね」
『んなもん煩いのは兄妹やもん。似るてしゃーない。それはしゃーないから許して?家族やもん』

妙の【家族】という言葉に、二人は酷く心が落ち着いていくのを感じる。
取り敢えず妙だけはちゃんと優を【家族】として見ている。それに安堵した。
そして幽が安堵と同時に、この喧しい小娘に攻撃を開始する。



「ねぇ妙」
『なーん?あ、こないだ幽兄やんとうちのアホとの記事!!むっちゃ爆笑させて貰たから!!あーれは幽兄やんが悪いて。タダでさえうちのん女に間違えられるんやから!』
「うん、それについてh」
『多分コッチ戻ったら学校でめっさ弄られんでこのネタ!!あーもー、コレがウチやったら一気に全国紙やろ?何で兄やんかってホンマ羨ましい!!』
「……妙、喋っていい?話聞いて」

兄妹揃って喧しいのは分かっているが。
だが妙の場合は優と違って女の子だ。会話に喰い付いたらお構いなしでしゃべり倒す。
将来は見事な【関西のおばちゃん】成長するだろう。そう思わずにいられない。
それに妙は幽の表情が読み取れない。多分読み取れても勝手に延々と喋るだろうから関係無いが。
そんな様子に静雄が助け舟を出す。

「妙、ちょっとは幽のターンにしてやれよ…」
『ん?ウチ何かアカン事言うた?』
「言って無ぇけど【ちょっとは黙って幽の話を聞け】って事だ。お前、一方的に喋り過ぎだ」
『せやろか?フツーよ?まぁえぇわ。うん、何の話?』

ようやく聞く体制になった妙に幽が口を開く。

「妙さ、優に何か言ったの?」
『そない範囲広くアバウトに聞かれても…。うちのん、どうかしてん?』
「何か行動がいつもと違うから。もしかして昼に何か言ったのかなって」
『そうなん?まぁ確かにノーパソ返ってきたからちょっと話したけどその程度やで?ウチん時はいつも通りやったけど』

何も無かったように振舞う妙だが、幽は実力で今の地位にいる俳優だ。
どれだけ喋って煙に巻こうとしても、小学生の素人の演技なんて直ぐ分かる。
付け焼刃なんて、崩す事など簡単だ。

「……。腐女子スキルが随分上がったみたいだね」
『え”っ…』
「フジョシ?」
「兄さん後で説明する。妙、もうちょっと部屋の小物整理したら?」
『イヤー!!ちょおそんなトコまで見てん?!エッチイヤらしい!!!!』

ババっ!とWebカメラを動かすが、見られたのだからもう遅い。

「で、優に何を言ったの?優があんな下手な演技やるなんて、妙くらいしか命令出来ないでしょ?」
「あぁ、何だよ妙の命令か…まぁある意味納得だけど…。つか何やらせてんだお前?」
『あ、ぅ…』

優が妙に対して『本筋の子』だと、甘やかして逆にオモチャにされているのは二人とも知っているのでソコはツッコまないが。
静雄は話が分からず呆れている。だが妙に幽の表情は読み取れない。
怒っているのかと怯えるしか無い。ここで正直に言って静雄が理解してキレたらそれも怖い。

「…。妙、俺も兄さんも全然怒ってないよ。優にも言わないから内緒で教えて?」
『え?』
「幽?」
「兄さんちょっと任せて。いい思い出来るよきっと」

ヒソっと妙に聞こえない声でつぶやき、ニッと笑う。
随分と幽が楽しそうなので、どうやらここは任せた方が良さそうだと静雄は黙る。

「多分妙のやりたい事を実践しようとするには今の優じゃ無理。俺達も知ってないと」
『……お、怒らん?ウチ…結構な無茶言うた…』
「無茶言ったって言う【自覚】があるなら怒らない。ちゃんと反省するならね。むしろ喋ってくれないと兄さんは怒るかもしれない」
『ソレは…イヤや…。けど…っ…』

観念はしたらしいがまだあーだの、うーだの、言い淀む妙。

「けど、なに?」
『…言うのが…恥ずかしい…』
「だろうね。エッチなのは妙だから」

真っ赤な顔の妙。
腐女子の本音だ。
所詮はまだ小六。他人に堂々と言える程のレベルでは無い。




◆◇◆





「妙、この位の距離でカメラに全体写る?」
『う、うん…大丈夫ちゃんとソファ写る…』
「なぁ幽…話は分かったけどホントにやんのかよ?妙の教育上も…」
「既に相当悪い所にいるからもういいんじゃない?」
『あーん!もう言わんとってぇ!!恥ずかしいぃぃい!!!!』
「言ったのは妙でしょ?大丈夫。兄さんはソコソコいつも通りでいいから。心配ないよ」




◆◇◆




「…ぐる、優」
「んっ?!アレ、ずっと呼ばれとった!?」
「酒が切れたから新しいの頼む」
「はーい、ちょお待ってなー」

あー、アカンアカン。集中し過ぎた。コレ案外おもろい。
プリンにクリーム絞りでデコとか初めてやけどコレ、ハマると楽しい。ちょおパティシエさんの気持ち分かった気がする。まぁ初めてやし簡単な事しか出来ひんけど。
主人公はスイーツ男子で、上の兄貴もそういう設定や。ちょうど静兄が当て嵌るしな。下の兄貴は甘い物嫌いやけど幽兄は関係無いやんな?
別に普通に食ってくれると思うし。
ちゅーか…幽兄をあの次男のキャラにどうやってせぇと言う話やけどなぁ…。難しすぎる…



「もう会話終わったん?妙ちゃん?」

お盆に乗せて持ってきたら…何やこの空気。
静兄が変。幽兄も何やいつもと違う。酔ったから?危機感しか感じひんのやけど…
と、取り敢えず空気を明るく!!!!

「ほーい二人に優くんデリシャスデザートぉ!!妙ちゃんもう話終わったん?」
『ひと通り…』

めっちゃ小声やし、何であんなにノーパが遠い?
一応まだ写っとるけど…。
終わったなら何で切らんのやろ?そしてやっぱり何故ノーパがあんなに遠い。コッチから顔の表情分かるか?

「妙ちゃんどしてん?何か変な顔してんで?」
『一切気にせんとって…』
「おい優。酒」
「あ、はいはい。あとな、今日はちょっと頑張ってデコってみました!静兄好きな感じやない?」
「あぁ、何か美味そう」
「やろー?まぁプリン自体はいつも通りのプッチンやけどね。ほい二人とも食うてや!」


   二人に渡そうとした途端。


「こんな甘ったるいものは二人で延々と食べてな」
「えっ」


   俺の力作プリンは幽兄に素手でブチャっ!と握りつぶされ…


「俺はいらない」
「んぷっ!!」

   
   その手で俺の顔にプリン、べっとり付けてキッチンに去ってく幽兄。


………。
えええぇぇぇええぇえええぇぇ!!!!??

ごっつ怖かった!!めっちゃ怒ってた!!!あんな幽兄初めて見た!!!
理解不能!!お、俺何した?!え、だって幽兄かてプリン食うやん!!
顔面プリン攻撃とか無いやろ?!こ、怖かったホンマに!!何で!?聞くのも怖くて動けん!!
鬼畜発動っちゅーよりホンマに【怒り】な感じやったよ何で!!??

「あーあ、勿体無ぇの。折角優が頑張ったのになぁ?」
「し…静兄…」

あまりの衝撃に動けんかったら、静兄が俺の前に来てしゃがんだ。
何故か、嬉しそうな顔で。

「勿体無いし美味そうだから、綺麗にしてやる」
「は?―ちょっ!何してっ!?」
「ん、美味ぇ」

何この人酔ってんの!?
俺の顔のプリン食ってくる!!舐めてくる!!しかもエロちく!!!
こっちもどうした!!兄弟どうした!!??酒が入ってもこんな風には変わらんかったやんか!!

「ちょお離せて!!何やねんもぉ!!!」
「お前、味見した?」
「味なんかいつものっ」
「んじゃお前も食ってみろ。優と混ざっていつもより美味い」
「んむぅっ!?」

いつものプッチンの味に決まってんやんけ!!俺の味ってどういうこっちゃ!?
何でチューされる俺!!しかもベロチューやし静兄マジやし!!何気にお上手なのは何故ですか?!
あぁあああ怖いよぉぉおお!!!何か良く分からんからめっちゃ怖いよおぉぉおお!!
怒っても今日は勝てる気がしない!!コイツら壊れとる!!!!!

「っあ…ふっ、はぁ…っ」
「泣くほど美味かった?」
「も、…何な…っ」

「ふーん、そんなエロ顔になるほど美味しいんだ優は。で、優は嬉しい訳?」


   鬼が 戻ってきた


クリームのボールを片手に!!
ちょおもうアカンて怖すぎる!!!!頼む今日は沈んでくれ!!!!

「………アレ?」

俺の鍼ケースとツボ押し棒は何処に家出した!?
うそ!?ポケットに無い!!何で!?

「捜し物はコレでしょ?」

ニッと笑う幽兄が何で持って……さっき去る時に抜き取られた!?

「返せや!!特に鍼は危ないから!!」
「優が持ってるのが一番危ない。使う気だったんでしょ今」
「当たり前やこんな非常事態!!ブッ壊れんのも大概にっ…」


   え、何で!?予備も無い!!隠しホルダーも空っぽ!!


「優、残念。コレが欲しかったんだろ?」

静兄かぁあああああ!!!コンニャろうがいつの間に!!!
チューしとる間に取られたんか!?セクハラされながら取られるとかマジ無い!!今度から予備の隠し場所変えなアカン!!

「で、わざわざ優に付いたプリン食べるってどんだけ好きなの」
「勿体無ぇだろ?優と混ざっていつもより美味しかった」
「あっそ。ならもっと食べれば二人とも。持ってきたから遠慮無く」
「うわっ!!??」

怒っとる幽兄からの食べ物を粗末に第二弾!!
まぁ俺にぶっ掛けられる予感はしとったけど…
静兄までモロ巻き添えですよ幽兄!!!俺は一体何の下克上の修羅場に立ち会わされてん!?
今の俺、ベッタベタです!!蟻が寄ってくる!!!!

「…ベタだけど顔射っぽいのはホントだね。こっちのがいい。兄さん、次俺」
「どーぞ」
「いででっ!!!!」

グッ!と俺が動けんように抱きしめてくる静兄。
俺は何かの粗品か!?暑中御見舞みたいに差し出すな!!!
か、幽兄めっちゃ鬼畜な顔して笑顔とか…つか、普通に怖いっ…

「エロ。興奮してんの?妙も見てるし?変態」

   いえ、顔は真っ青な筈です…。

道具もないしで手も足も出ん状態やぞ俺!!
ちゅーか興奮してんのそっちやん明らかに!!どう考えても!!
んでもってやっぱチューされたしぃいいい!!止めろや静兄!!兄貴やろ!?
超至近距離で弟が暴走っ…兄貴も暴走中やけど弟止めたれや!!!俺のために止めてくれ!!

「っは、兄さんも」
「んっ」

えぇぇえええ??!!!!何事もうホンマ何事ですか?!
俺の頭の上でチューせんでよ兄弟!!そういう関係だったん二人て!?
ちゅーか静兄のが受けくさい!!幽兄がまさかの総攻ですか?!この鬼畜っぷりって何な?!
あぁぁああっ、何かクチュクチュとか吐息とか喘ぎとか全部聞こえてくるよぉぉお!!妙ちゃんのBLCD攻撃よりしんどい!!
そして何より!!
俺を離してからやってやああぁぁぁあああ!!!!!

「…兄さんも酒が入ると、可愛いんだよね」
「お前っ、キス苦ぇ…」
「ビールだから。甘いのイヤ。一々我慢してんだから…、今日は優いるし楽しめそう」
「まぁな。優も混ざれ。逃がす気無ぇから」
「ヒッ?!」

   俺、興奮中の鬼畜兄弟にサンドイッチ!!
   コレはアカンよ俺泣くあと二秒で泣く!!




【イヤァァアアアアア!!!全員カットオォォオオオオ!!】





………。
え?ピタっと止まったんですけど。


【ゴメンなさいもういいですもう無理ですゴメンなさい!!兄やんウチ無茶言うたゴメンなさい!!!】
「た…妙ちゃ…?」
【兄やん達が喘ぐとかっ…あぁあああアカン!!もうえぇゴメンイケメン兄弟もゴメンなさい!!】
「まぁここから先は15禁だから流石に見せるつもりは無いけどね。はい優、感想を妙に報告」
「か、感想て…」
「妙からの命令だったんだろ?んで、感想言って終了だ」

か、感想て……え、えっと…

「あの…、妙ちゃん…」
【何ですか!!!!!】
「兄やん、取り敢えず怖かったです…」
【実物を見てたウチも怖かったです!!もうえぇホンマにゴメン兄やん!!もうウチ悪いコトせんから!!おやすみっ!!!】


   そんだけ叫んだら、プチっと切られた。

   え…何?





「ったく妙のヤツ、結構長時間耐えやがって…無駄に根性あるなアイツ…」
「ごめんね優。クリームとかプリン、目に入ってない?折角プリン作ってくれたのに勿体無かった…。また作ってくれる?」
「…………」

いつも通りに戻った兄弟。
幽兄はごっつ心配しながら顔拭いてくれるし、静兄も『よしよし頑張ったな』って撫でてくれる。
…どう考えても、うん…何となく分かった…。

「…えー……っと…」
「優は妙の言う事何でも聴き過ぎ」
「で、今回はちょっと酷いと思ったから仕置だ」
「…とっくに、妙ちゃんの事……バレててんね?」
「うん。俺上手だったでしょ?兄さんも思ったよりずっと上手」
「はああぁぁぁぁぁああああああ???!!!」


何言うてんこの二人!?


「っざけんなはよ得物返せ!!」
「返したら即効で痛い目に会うの分かってて返すかよ…」
「妙が腐女子としてあらぬ方向に開眼する前に、実際自分がどんな事を言ってるかを見せて封印して永遠の眠りに付かせた方が良いと思って」
「っ…せやったらさっさと言うてくれたら良かったやん!!あそこまでする!?」
「優の苦手キャラみたいだし、言ったところで演技は下手だもん」
「…………」
「ま、強烈なカンフル剤ってトコだろ。流石にリアルに開眼は良くねぇし」
「うん。趣味を持つのはいいけどこれに関しては二次元で止めておいた方がいいと思う。絶対に」
「…じゃあ…幽兄て、怒ってへんかった…?」
「俺?うん、演技。妙の読んでた漫画知ってたから、それの再現として。確か次男はこんな横暴な俺様キャラ」

   ホッとしたかったのに凄いこと聞いた!!

「何で幽兄がそんなん読んでん!?しかもキャラまで!!!」
「こないだ現場で読んでる人いたから、暇で借りてみた」
「あっさり言うけどよぉ読めましたねBL漫画を人気俳優がっ!!」
「まぁ所詮漫画だから。でも何で妙が買えたんだろう?R指定入ってたけど」

爽やかにそんな漫画読んだら周り全員ビビるやろ!?
スタッフさん達及び関係者の皆様すんません!!!
あと妙ちゃんホンマにどうやって手に入れたお前!!


「まぁ優、取り敢えず全部妙の開眼を防ぐためだ。多分すげートラウマになったと思うから大丈夫だろ」
「ハハっ…俺も幽兄の鬼畜やら目の前で兄弟でチューやら、それを全部妙ちゃんに見られてたとかで、抜けないロンギヌスの槍が刺さりました…」
「俺達は協力。元は優が悪い」
「俺が二人に一体何をした!?」
「妙の命令に従って、全然撫でさせても触らせてもくれなかったろ?」
「う”っ」
「いきなりだから俺達嫌われたかと思ってかなりショックだったよ。だからそれを怒ってるって意味も含めてあれだけやったの。優が悪い」
「…………」




◆◇◆




「……………」

幽の言葉に俯いて黙ってしまった優。
妙の設定に便乗して確実に調子に乗ってヤリ過ぎたのは本当だ。主に設定を作った幽が、だが。
落ち込まれるのは当然嫌だし困るので、兄弟揃って急いでよしよしと撫でる。

「ごめん怒り過ぎた」
「………もん…」
「ん?」
「…俺かて…好きでやってたんちゃうもん…」

ようやくあらゆる恐怖心が落ち着いたのか、ポロポロと泣き出してしまった。

「そ、そんなの分かってる!!!なぁ幽!?」
「うん、もちろん」

本音でやっていたと言われたら、ショック以外の何でもない。

「俺かて…ギュー我慢してたもんっ…よしよしとか我慢したもんっ…いっぱいっ…我慢しててんもんっ…」
『「…………」』

余程自分に課した【俺は安く有りません。お触り禁止!!】が辛かったらしい。
確かに漫画の主人公はそうやって兄貴二人から逃げまくって、逆に加虐心をソソラれるという内容だったが。
忠実にやるには普段の優とはあまりにもキャラが違いすぎる。
って言うか、そんな事を泣きながら言われたら、本当にサンドイッチになりそうな気分になるので止めて欲しい。

「プリンとかっ…ひっぐ…二人っ、喜んでっ、くれたら、とか…楽しくっ…」
「ん、ゴメン。優も辛かったもんな。いっぱいギュってする」
「一番頑張ったのは優だもんね。じゃあもう俺達も、いっぱいしてもいいよね?」


そう言って静雄は後ろから、幽は前から苦しくないように抱きしめて…


(幽…ここから先に行っても良いと思うか?どうするコイツ…絶対こっから長いぞ…)
(優の場合は判断付かないんだよ。それに俺は抜け駆けしてるから何とも…)
(あ”?)
(ゴメン、独尊丸との写メの時にちょっとだけ味見というか。まだ挿れてはいないよ素股まで)
(おまっ?!俺が走りまわってる時に!!つか何が大丈夫だ結構イってんじゃねぇかよ!!)
(優の中では完全にノーカンになってるから…。写メでチャラにして。可愛かったでしょ?)


そんな目での会話を続ける兄弟。
まぁそんな喧嘩は後回しで、何より困っているのは『今この状況をどうするか』だが。
エグエグ泣いている優。逃がすにはあまりにも巨大な魚とシチュエーション。
だが一応大人。成人してます。アイコンタクトで自重自重。

「……。優、取り敢えず風呂入ろうな?服もベタベタだし」
「…ややぁ……まだギューしとって…ずっとしとって…」

そう言って離そうとしない未成年。自重なんて知らない子。
さぁ、どうする。

「優、離れないとずっとベタベタ。兄さんにもクリームブッ掛けちゃったし、俺の服も替えが有るわけじゃないから洗濯しないと」
「ヤやっ…俺いっぱい我慢したもん…ごっつ怖かったもん…離れたら泣く…」
「もう泣いてるよ…」

さぁ困ってきた。離せば本当に大泣きしかねない。
そして二人の我慢も結構限界に近い。

「……優、じゃあ『風呂に入ってからまたこの体制』って言う選択肢は?」
「ヤあっ!!」

余計にひっつく。いよいよ困った。



「ねぇ優、今俺と兄さんはすっごく我慢してるんだよ」
「……知らん…」
「それじゃ妙の我侭と一緒。優の我慢のご褒美はこのハグだよね?じゃあ俺達の我慢のご褒美もちゃんとくれないと駄目だよ」
「……どういう…?」
「おいおい幽…」
「別にこのままでも『離れない』って意味では間違いではないし、十分我慢させられたよ。来た時から撫でさせても貰えなかったし」
「……。けっこーしっかり根に持つなお前」
「兄さんよりはマシ。俺は自重外す。って言うか、取り敢えず俺の両腕がそろそろ限界…」

幽は後ろ抱きをされている優の上から抱きしめているので両腕が辛い。
だが優はその幽に腕を回しているので動けないのだ。

「優、二択問題。このまま俺に押しつぶされるか、一端腕を離して俺を休ませてくれるか」

瞬間、パッと優の腕が離れて幽が自由になった。
案外簡単に離れたなと、取り敢えず幽も膝立ちに起き上がり腕を休ませる。単純に辛かった。

「兄さんも外したら?自重」
「けーどーよーぉ…相手は泣いてるし精神的に結構ダメージ受けた後に追い打ちは…」
「だから俺に先越されたんだよ。優しいから」
「んなっ?!」
「箍が外れたらみんな一緒。動物は動物。ちなみに今の状況、殆ど一緒」
「あぁ?妙の漫画のか?」
「『弱々しい主人公の高校生が兄貴二人に泣きながら愚痴てる。それ見て兄貴二人は欲情。3P突入』。……優、聞いてたね?」

「………」

「『主人公はまだ最初の頃だから兄貴二人の性癖に全く気付いてなかった』。…確かそんな話だよ。初っ端から」
「……………………」
「俺達はあんな酷い事はしないけどソコソコはするよ」


【あんな酷い事】ってどんな事なんだと、静雄が心でつっこむ。
そしてそんな漫画をシラっと読んでいた弟にも若干ショックだ。何となく優の気持ちが分かった。
幽も容赦無ぇなぁ…なんて思うが、もうとっくに優を庇う気は無くなっている自分に気づいている。

「優」

ソっと幽が優の頬に手を当てる。
それだけでビク!とこわばる。


   「泣いても絶対止めないよ」


瞬間、バッ!と弾かれたように静雄から起き上がりパタパタと風呂場に逃げて行った。











「やっと行った…」

風呂場の扉が豪快に締まったのを確認して幽がソファにグッタリと座る。
飲もうとしたビールももうぬるくて飲む気にもならない。

「お疲れー…お前、オフなのに芝居してばっかだな…」
「すーを風呂に入れるって、こんなに大変なんだね…兄さんの苦労分かったよ…」
「うわ、懐かしい呼び方すんなぁ。まぁ普段しっかりしてるし全然甘え無い反動なのか、愚図ったり拗ねたりしたら我侭すげーんだよ。今日は幽のおかげで助かった」
「ホント、途中から【ホントに犯そうか】って思えて仕方ないよ。アレ、どう見ても誘ってるだけだし。兄さん怒ってくるから我慢したけど」
「一応すーは『人様から預かった子』だぞ?それに俺、どうにも泣いた相手の慰めってのがなぁ…。それに、もし3Pとしても流石にこのベッタベタな状況は俺嫌だし…」
「同感…。クリーム溶けてもう…掃除が大変としか言えない…」


はぁ、と二人が溜息をつく。


「すーなぁ…。学校でもあのままで振舞ってんのかぁ?ったく、俺ですら【自重】って言葉を覚えたのに…」
「兄さんの甘やかしも原因じゃないの?」
「いや、それはお前もだろ。つかマジで手ぇ出したのか?」
「素股までだから大丈夫。雰囲気全く作らない子だし自分の気を持たせる方が大変だから」
「その【大丈夫】の意味が分からん…。まぁ手ぇ出す…出し辛いんだよ雰囲気的に…」
「うん、その雰囲気を最初から最後まで壊しっぱなしで来るから。あとは道具の排除。危険度はコレが一番かな。力は無いし」
「なぁ幽…すーのヤツ、『素手でも人が殺せる』けどそれでも良く手ぇ出したな?俺はソレが一番怖ぇけど…」
「え?嘘知らない…でもどうやって…」
「聞いたら実践で死なない程度に殺られた…。力なくても簡単に一瞬だ。お前ある意味命拾いだろ。勇者だと思う…」




こうして兄弟は『今後の優の扱い方』について色々話し合い。
出てきた優に【お前ら兄弟フケツや!!俺の目の前でチューしおって近視相姦めが!!】と、突然思い出したように怒鳴られ。
『マジでサンドイッチ3Pしたろか』とプチっと来たが、取り敢えずこれ以上の優への刺激は疲れるだけなので。

「もういいだろお前…いつまで…」
「俺が寝るまで!!」
「優、俺明日も仕事だし帰りたい…」
「アカン!!俺が寝るまで!!」

結局『全員風呂に入ってからまた優をハグ』となってしまった。
風呂で機嫌が戻ったのはいいが、【コレは辛い】と風呂前に散々幽が脅したというのに本人はスルーしたらしい。
【怖かったのだから、この位は当然】と、言ったところだ。



余程疲れたのか、直ぐに寝てしまった優をベットに運んで漸く幽も帰れる。
玄関で見送りの時。

「遅くまで悪かったな…。ったくすーも、好きで兄弟キスするかっつーの…そういう設定だったから…」
「あ、でも俺兄さんイケるよ?俺は好きでしたから」
「はっ!?」
「酔った兄さん可愛いよ?俺結構マジでキスしてた。大丈夫」
「大丈夫って何がだ幽!!オイしっかりしろ!!つかお前の『大丈夫』って何が大丈夫なんだ!!??」
「じゃあおやすみ兄さん」


(妙を封印したら俺が兄さんにもガチ開眼したっぽいな。まぁどっちにもキス出来たし良いか。ある意味妙に感謝だな)

一番の役得は、幽だった。
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プロフィール

寅丸

Author:寅丸
アニメが終わってからデュラの存在を知った可哀想な感じの人。原作しか知りません…orz。きっと静雄と派生が好きだと思う。ケロロは電波黄色と喧しい。10年目でいきなりハマった。なので【今更】。ピクシブ  呟き

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