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イマサラ

腐向け/R15/DRRR!!・K66・TIGER&BUNNY中心/いろんな妄想ダダ漏れな欲望全開。

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#11:嗚呼、素晴らしきこの世界。

下地作り、ラストラン。


「あ、もしもし久し振りー!リンネだよー。今ちょっと暇だったらお願いがあるんだけどいいかな?」

リンネがネブラの研究所に来て8日目。

「うん、ちょっと運んで欲しくて。今回の謝礼は言い値出すから。…うん、はいはーい。じゃあ待ってまーす」

一端電話を切って自前のノートPCを開く。

「さて、あとはエゴール達にも報告すれば終了かな」



逃亡した。




●#11●




「…で?それは分かったけど、僕に怒りをぶつけるのは御門違いだよ父さん」

さっきから電話の相手に溜め息ばかりの新羅。

「あのさー、『研究対象』を逃がしたのは父さんだから……、はぁ?僕が裏から手を引くとか無い無い。意味が無い」

そう、リンネが研究所から居なくなってしまったのだ。
期間は3週間を見ていたのに突然勝手に消えてしまったらしい。しかも機材や何やらを色々壊して。
その怒りと苦情と、残りは何だか良く分からない事を父の森厳から何故かクレームを寄越されている新羅。
正直リンネの行動心理なんか知った事じゃないのでそろそろ嫌になっている。


【逃げたか。どうせ無駄に切り刻まれそうになったんじゃないか?】

嫌な顔全開の新羅にセルティがPDAを差し出す。

「僕もそう思うよ…」

あの『自由全開俺様中心』のリンネが、逆に良く1週間以上大人しくしていたと褒めたいくらいだ。

「っだーもー、聞いてるけど行き場なんて知らないよ。臨也にでも聞けば?手付金は入ってるしいいだろ?もう切るよ。じゃあ」

ピッ!と一方的に電話を切って、新羅がソファーに崩れるように座る。
どうにも自分の父親はやはりウザイ。耳が痛い。
隣には勿論セルティ。

「リンネもやるよねぇ。さて、ネブラから何処まで逃げ切れるかな?」
【森厳とエミリアの喋り方にも相当ムカついただろうしな。自分が知りたかった事はもう分かったからサヨナラしたんだろ】
「有り得る。てかセルティの方にリンネから何か連絡は?一番に来そうなのに」

新羅が訪ねるとセルティがスッとケータイを差し出した。
その表示画面に新羅が苦笑する。

「あー…これは逃げるわ。ガチでリンネの本音来たね…」

そこにはリンネからのメールでこう書かれていた。


   『ガスマスク親父マジパネェ!!つかリアル怖いしコイツ!自分のが外見化け物じゃない!?
    良く新羅をソコまでまとも(でもない?)に性格矯正出来たねー。セルティ凄いよ。変人。
    てゆーかもっと良い待遇だと思ったらご飯不味いし部屋寒いし!全然料金と吊り合わない…。
    特にエミリア!英語で話しても苛つく日本語で会話してくるし、もう何言ってるかイミフ過ぎる!!
    セルティの気持ち超分かった!!この姑女は役立たない!二世帯暮らしは絶対止めたほうがいい!!』


「これ、日付が初日じゃん…。あの場所から良く電波届いたなぁ」
【アンテナ立たなかったから天井をぶち抜いたらしいよ。メールは毎日やってたけど見るか?】
「毎日してたんだ…。今日の逃げたのはある?」

新羅の言葉にセルティがカチカチとケータイを操作して新羅に渡す。


    『飽 き た』


その三文字だけだった。

「はぁもー、自由でいいなぁリンネは。結果がまだ出てない分はどうするつもりだろう?」
【あぁ、それもメールで来てる。『こないだの子供役をタダにしてあげるから貰っといてね』だってさ】
「『はい分かりましたお嬢様』って伝えといて…。全くもぉ、簡単じゃないのに…」

溜め息を付きながらグッタリしている新羅を撫でながら、セルティが笑う。

【そんなに心配しなくて大丈夫だ。リンネは迷惑掛けないし、もう殆ど一人でやったみたいだから】




◆◇◆




「だからぁ、今日は趣向を変えて『学園喫茶』にしようと思うわけ。姫もいいよね?新しいとこ見付けたし」
「いや!もう一通り一周したんスから原点に戻って『メイド喫茶』も有りっスよ?姫ちゃん久々なんスから」
「えー?ゆまっち、女が今さらメイド喫茶はある意味猛者しか行かないよぉ。ねぇ姫?」

相変わらず白熱した答弁の中、狩沢がラッコ抱きしているリンネの頬をつつく。
狩沢の意見にふむーと考えるリンネ。
その様子に遊馬崎がより熱い熱弁をぶつける。

「違うんスよ狩沢さん!今一度原点に戻るのも必要!って事っス!姫ちゃんもそう思うっスよね!?」

遊馬崎の言葉にもうーんとリンネが考える。
前と後ろからの真逆意見に、リンネが出した答えは。

「取り敢えずあたしは『男装麗人喫茶』か『執事喫茶』がいいなぁ。すっごくイケメン不足を補いたい。メイドさんも好きだけど今日はイケメンがいい。勿論遊馬崎でも可」
「いいねぇゆまっちを執事とか新鮮かも!!流石は姫!!【自分だけの執事】って感じ?」
「うん、それで一日ご奉仕して下さい。多分不死鳥のごとく復活出来るよあたし!!」
「えー…。てか姫ちゃんが選り好みって珍しいッスね?いつも何処でもなのに。どうしたっスか?」
「色々乙女心が枯渇する目に合ったの。って言うか、店員がキャラ崩れしないトコに行きたいよ!!あと『ツンデレ』と『戦国』は笑っちゃったからアウトで」
「店員がキャラ崩れするのは姫のせいじゃーん?ある意味それも面白いし」
「だからソレが嫌なの!折角二人が連れてってくれるのにフツーに戻るって詐欺じゃん?こっちは楽しみにしてるのにぃ…」
「姫ちゃんが可愛いから何処の店員も姫ちゃんに萌えるんスよねぇ。本気で可愛いんスよ?」
「今のところ姫の全勝だよ。姫さぁ、いっつも店で拗ねるけどその破壊力マジなんだよ?」
「やぁだぁ!!店員が小声で『甘ロリ着せたい』とか言ってくるんだよ!?あたしちゃんと接客されたいのにぃ!!!」
「お前らそろそろ黙ってくれ…特にリンネ…」


今日のワゴン車後部座席はまさにカオス。
いつもカオスだが、リンネが投入された事により、より濃度が濃く全くもって恐ろしい事になっている。
しかも嫌なことに三次元の話なので、門田と渡草も何となく内容が理解出来てしまうから頭が痛い。

「何で?二次元でも2.5でも無いし抑え気味なのに。京平ダメ?ついでにあたしの執事に」
「ならねぇしダメだ。無理やり途中下車したくなかったらもう止めろ」

久し振りに電話を受けて、リンネを拾いに行った。
遊びではなく訳ありらしいが、まぁそこまでは良い。
だがこの娘は狩沢や遊馬崎に負けず劣らずのオタクっぷりに加えて、かなり三次元方向に傾いている。
まだ子供なのに何故二人に負けないオタ知識が満載なのか。
その知識と外見から、二人からは『姫』と呼ばれる始末。
ちゃんとした常識を持っていることを知っているからこそ、門田としては非常に残念すぎる。

「ドタチンひどーい。折角姫から『アキバ行きたい』って誘われたんだよぉ?」
「そっスよ門田さん。姫ちゃん最近狩沢さんと乙女ロードばっかだったんスよ?」
「わー、ソレってゆまっち私に超嫉妬じゃん。てか姫じゃ18禁や成人指定買えないしねぇ」
「狩沢にはいっつも感謝だよぉ♪」
「私も姫には楽しませて貰ってるし!!」

ふにゃっと笑うリンネは本当に可愛いく、狩沢がよしよしと撫でている。
会話内容さえまともなら…。

「けど姫ちゃんって意外とフィギュアには手ぇ出さないんスよねぇ?」
「違うよぉ。欲しいけど買ってもパッケージ開ける度胸が無いの!保存用のクリアケース買っても多分開けれない…」
「でもそういう時の三つじゃないスか?保存・鑑賞・使用の三つ」
「どうしてもその勇気の第一歩がさ…。それに買ってもサイケに見付かったら絶対壊される!」
「お前たちも黙れ。あとリンネ、お前狩沢に何頼んでんだよ…」
「だってあたしじゃ買えないもん」
「買っちゃいけねーし読んでもいけねーんだよ!!」

既に狩沢レベルのオタクに腐な要素もバッチリだ。
本当に知らないうちに知り合いになって、知らないうちにこんなに打ち解けて。
リンネが臨也の所で住んでいる事くらいしか知らないが、これは本当に教育上良くない。
(一回臨也にリンネの事ちゃんと世話しろって言っとくべきか?…でも聞きそうにねぇしなぁコイツ)


「なんか京平、今日機嫌悪い?」
「いや、お前の将来に対して勝手に不安に思ってるだけだ。気にすんな」
「京平、お父さんみたーい。…ふむ、こんな感じかなぁ?とーぐさっ!!」
「あ?」

ひょこっとリンネがPCを差し出す。
勿論【この世界】で使えるものだ。

「今日は『コレっぽい系』が売ってる場所で適当に降ろして?」
「んだコリャ?俺はアキバの住人じゃねぇから分かんねぇよ。二人に聞け」
「……渡草にも嫌われた。なんか今日は超アウェイ…」

と言いながらも、後部座席の二人にしっかり画面を見せるリンネ。

「えー?何コレ。今日はがっつりメカ系じゃん。どしたの姫?」
「ちょっと必要になったから。だから喫茶巡りはまた今度!!」
「まさか一人でアキバ巡りスか?!流石に姫ちゃん危ないスよ!ロリ誘拐一直線じゃないスか!?」
「ん~、私も正直一人は危ないと思う。ねぇドタチンも思わない?姫、イザイザはピンチに飛んでこないよ?」
「臨也はむしろ【ピンチを連れて飛んでくる】からいい。あ、京平。今回いくら?」

その言葉にバックミラー越しに門田が見れば、ニッコリ笑うリンネ。

「…その前に何で今回は『謝礼金上限なし』なんだよ。巻き込み型か?」
「うん、只今ネブラから逃走中。もし後々あたしのせいで何かされたら皆に申し訳無いからさ」
「はーぁ…そんでアキバに逃げ込むっておかしいだろ。臨也んトコに戻るのが一番安全じゃないか?」
「あぁ、無駄。アイツ、森厳の方からバレてる。まぁちょっと必要な物をね、買わなきゃいけないから。お願い!」

パン!!と両手を合わせているリンネ。
門田はリンネが毎回『自分がどれだけ大変なことを言っているか理解しているのか』、いつも疑わしい。

「……、まぁ、暇だしな。謝礼金は被害食らってからの話だ。どうせ殆ど巻いたか潰してんだろ?」

リンネが静雄並みに強い事は、関わりがあるものは誰でも知っている。

「まぁそれなりに。あ、あとコレはみんなに『お願い』なんだけど…」



   こうして目的地に到着したワゴン車。



「ホントにありがとね!あと『お願い』は今日中に!」
「姫はホントに面白い事考えるよねぇ」
「危なかったら直ぐに警察っスよ?!」
「うん。じゃあ渡草コレ。いつもありがとう」

そう言ってリンネから渡草に茶封筒が渡される。
いつもリンネは毎回律儀にガソリン代を払っていくのだ。しかも多目に。
渡草や門田も最初は『いらない』と断ったが、『受け取らないと降りない』と言われてしまい。
本当に降りず、門田が無理やり引っ張り降ろそうとしても凄い力で車にしがみついて壊れそうになったので今に至る。

「なぁリンネ。お前もガキだし別に無理しなくていいんだぜ?」
「無理じゃないよ。いつも乗せてくれるんだからそれくらい出させて。気持ちの問題」
「そう思うならカオスな会話を止める努力してくれ…」
「無理っ!じゃあねー!!」

こうしてリンネは秋葉原の人ごみに消えていった。


「飛びきりの笑顔で無理とか言うなっつーに…」
「てかドタチン、勿論姫の『お願い』乗るよね?」
「ん?あぁ、別にいんじゃね?リンネにしてはフツー過ぎな『お願い』で肩透かしだった」
「まぁ、姫ちゃんが楽しかったらそれでいいんじゃないスかねぇ?」




◆◇◆





リンネが消えた。
それはその日のうちに勿論臨也にも伝わっていた。
だが夜になっても帰ってこない。
大方逃げ切れずに捕まったかと考えていたら。


『もしもし臨也ー?ボッチ堪能中ー?』


全くもって暢気な声の電話が掛かってきた。
少しでも心配した自分が馬鹿らしい。

「…今どこ?職質されると面倒だから」
『ちょっと消えるね。あ、逆探かけてもここ萌え萌え喫茶の電話借りてるから来たら恥かくだけだよ?』
「何やってんの…」
『ねぇ、ちょっとゲームしようよ』
「はっ?」

この上なく、楽しそうな声。

『あたしは今から逃走する。明後日までに先回りして見付けたら臨也の勝ち。無理だったらあたしはそのまま消える。どう?』
「…あのさぁ、俺は【情報屋】なんだけど。すぐ見付けるよ?」
『手駒から情報を聞き出すのは勿論有り。ただ、捕まえるのは【臨也自身】。あたしだって徹底して情報封鎖はするよ』

一体何がしたいんだ?

『あんま乗り気じゃない?それとも臨也の中ではあたしはこのまま消えてもいい程度の価値?』
「探して欲しいなんて随分甘えてくるね?」
『これは単純な【ただのゲーム】。ただし、あたしを捕まえられなければ【臨也の情報屋としての価値】がデフレスパイラルな、ね』
「つまり俺は試されて、しかも失業の危機が掛かってる訳か。…生意気なことするね」
『失業って言うか元からニートじゃん。でもまぁ、やる気になったね』

電話の向こうでリンネが笑ったのが分かる。


  『じゃあタイムリミットは明後日の夜中12時ジャスト。今からスタート』


そこで通話が切れた。
心底楽しそうなリンネの声。


「【ただのゲーム】だなんて…良く言ってくれるよ…」


心底楽しそうにしている自分。




◆◇◆




「セルティ、何がいいかなぁ?もう決めた?」

二人とも別々のPCを見ながらうーんと悩んでいる。

【いや、意外と決まらなくて困ってる。けどリンネを待たせても駄目だし…】
「なんか盲点付かれた感じだね。さて、何がいいやら…」




◆◇◆




「なぁ静雄、お前ちょっと真剣に悩みすぎだろ。何処でもベタでいんでね?」
「そっスか?つかリンネもいきなり何なんだか…」
「まぁ俺はもう送ったから」
「ちょっ、トムさん早っ!!うーわ、他人と被ってもいいのかよコレ…」




◆◇◆




「ねぇ皆ぁ、姫にもう送ったー?」
「俺は一応。まぁベタに」
「ドタチン早いよっ!うー!何か絶対に他人と被りたくないしぃ!!」
「姫ちゃん、これはオレ達に何か試してんスかねぇ?んー、オレも被りそうっス!」
「そこまで悩むかよ…。被ってもいいんじゃねぇの?」
「都民の意地!!」
「いらねー意地持ってんだなぁ…」




◆◇◆




リンネの目撃情報は次々と入ってくる。
あれだけ目立つ容姿の持ち主だ。目に付かない方がおかしい。
ただ、先回りをして捕まえるには情報がバラけすぎている。

「何がしたいんだ…?」

情報網には次々と引っ掛かる癖にパターンが皆無なのだ。
それに加えてリンネ自身の体力や走るスピード、交通手段を考えると余計に混乱する。




◆◇◆




「んー、意外とダブったなぁ…」

リンネが返信メールを見ながら荷物の確認をする。

「やっぱり東京は狭いね。つーか都民の発想、恐るるに足らず!!!」

今日も絶好調でニコニコ笑顔だ。




◆◇◆




約束時刻まであと5分。
臨也は柄にもなく賭けに出てこの場所に来た。

   パターンは分かった。
   何がしたいのかもきっと。

難しく考えなければ答えはすぐに出た。
ただ、この場所かどうかは本当に賭けだ。別かもしれない。
そうしたら、負けだ。

リミットまで3分。


時間が過ぎていく。
焦っているのは失業の不安かリンネが消える不安か。


リミットまで1分。




◆◇◆





「頭が良すぎても結局バカか…」

約束時刻まであと3分。
もう見つけ出すことは出来ないだろうとリンネは歩いていた。
子供の姿のままだが、意外と職質は受けていない。
普通に考えたら直ぐに気付く場所ばかりにいたのに。

リミットまであと1分。


「まぁ、これにて折原臨也さんは見事に失業、と…。そろそろいいかな…」

リミットまで30秒。


ベンチに座ってケータイを取り出す。

「楽しかったよー臨也ー」

本当に楽しかった。

あと5秒。


送信ボタンに指を置く。

「じゃあ、バイバーイ」
「誰とっ?!」
「うっわぁああ?!!!」




◆◇◆




リミットには間に合った。
目立つ銀髪。
ケータイを操作しているのを見て急いで抱き締めた。

「えっ、何!?照明落ちるとこんなに暗いのっ?!」

腕の中で相当焦ってジタバタしている小さい子供。
一人で焦っているのを感じて、何とか間に合ったのだのだと気持ちが落ち着いてきた。
抱きしめてみると、見ていただけよりずっと小さいなと思う。

「…バカじゃないの」
「げっ、臨也!?吃驚して送信押しちゃったんだけど!!」
「はぁ!?間に合ったのに?!」
「って言うかちょっと離して!直ぐに送らないとアンタマジ失業!!」

それは切実に困るから急いで離れた。

  そう言えば、何で抱き着いたんだ俺は?
  …あぁ、何かの送信を止めるためか。
  でも別にナイフでも何でも投げてこっちに気付かせれば良かったんじゃないか?
  …そう言えば【捕まえる】だったっけ。手錠でもいいのに。
  自分の行動が超イミフ。


横で必死にリンネがケータイを弄ってる。
その両手には荷物が一杯。

「…あ、何とか大丈夫だ。送信失敗になってる。良かったぁー」

心底で安心したみたいで、パタンとケータイを閉じた。
俺もベンチに座る。

「誰に何を送るつもりだったんだよ」
「取り敢えず四木に送って粟楠から臨也の事を潰していこうかと。まぁ四木は冗談通じるけど残りはちょっと心配だったし。あとは九十九屋に情報流してもらってーみたいなー?」
「最悪のコースだよね。信じられない…止めて良かった…」
「もー、時間ギリギリって何か狙ってたの?」
「本当にギリギリだったんだよ。……ったく」
「どっちでもいいけど夜の臨也駄目だよ。黒服で全く見えないから超ビビッた」


  「あっそ。で。東京観光は楽しかった?」
  「このお土産が証拠だよ。近々皆に渡しに行かなきゃ!」


満足そうなリンネ。
リンネがやってたのは単純だった。
いわゆる東京観光。あちこちに一人旅をしてただけだ。複雑にポイントを観察しても絶対に分からない。
新宿と池袋以外に連れてった事が無かったな…。
ラストのココは、東京タワー。

「あ、箝口令は解除しとかなきゃ。…ねぇ臨也」
「なに?」
「たまには趣向を変えたゲーム、楽しかった?」

超生意気な笑顔。

「ホントに俺が見付けなきゃ何処に行くつもりだったのさ?」
「何処でも。誰でも。臨也以外にも日本には一億人以上いる」
「……。その観光場所を提供したヤツらは全部俺も知ってるんだろ」
「あたしより何倍も知ってるよ。いつもの池袋の皆。お土産渡すのが条件だから離れた人には無理でしょ?」
「で、『ゲームだから俺には内緒』って?」
「うん。でも見つかったからあたしの負け。明日サイケ達にもお土産渡さなきゃ」
「普通は観光したいなら東京●ォーカーとか買わない?」
「観光はお土産を買うのも醍醐味じゃん!選んだり探したり。相手が喜ぶものをさ。あたしはそれが一番楽しいんだよ」
「あ、そ。…で、俺は観光片手の遊びに付き合わされた挙げ句に土産も無いんだね…疲れた」

二日も必死に何やってたんだろう。
さっさと帰ろう。馬鹿馬鹿しい。


   「うん。じゃあ一緒に帰ろう」
   「え?」


何で普通に俺のコート掴んでんの?


「いや、『え?』って何よ。『お土産』置いて帰るなんて止めてよ」
「……まさかリンネが【俺のお土産】?」
「何か不満?さ、帰ろう!2日間でアチコチ言って土産話も沢山あるんだから!」

こいつ、研究所から逃げて余計にふてぶてしくなってる。
何か変な薬投与されて無いよな?

「皆都民の癖に超観光場所ダブってくるし。意外と都民だけど行ったこと無いとか多かった」
「絶対リンネ、浅草寺に行っただろ」
「おこしやせんべいが美味しかったよぉ。あそこは行って楽しかった!てか臨也おんぶしてー。足痛いー」
「ヤだよ重たいし。タクシー拾う」
「重たいとか言う?!どう考えても子供なんだから軽いのに!」
「俺は荷物持たない人間だから。『お土産』は黙ってなよ」
「なんか生意気…。ムカつく!!」

俺の方がどれだけムカついたと思ってんだよ。
また俺だけいきなり除け者気分で最悪だった。
蚊帳の外は俺が一番嫌いな事だ。

…まぁ『お土産』のランクは一番だったけど。頑張ったから当たり前だよね。


「結局アキバで何買ったの?」
「ん?家に鍵かかってたら困るからピッキング道具を一揃え」
「……最初から出てく気ゼロじゃん。シリアルナンバーは?」
「あぁ、なんかネブラのだった。データも全部コピったしもう用済み。ま、明日は土産話を沢山聞いてよ」

あー、新羅のヤツ絶対色々言われてるんだろうな。
まぁどうでもいいけど。

「ま、臨也。改めて」
「ん?」

俺の前にパッと出てくるリンネ。いい笑顔。


「ただいまっ!!!」
「…………。『お帰り』って言ったらまだまだ住み込み生活が続くんだよね?」
「なんだよー、不満なのか一人ぼっちのニートの癖に」
「煩いな…」

苦々しいながら、少し嬉しくて。

「…おかえり」
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プロフィール

寅丸

Author:寅丸
アニメが終わってからデュラの存在を知った可哀想な感じの人。原作しか知りません…orz。きっと静雄と派生が好きだと思う。ケロロは電波黄色と喧しい。10年目でいきなりハマった。なので【今更】。ピクシブ  呟き

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